この運命は恋ですか？ 2【桃】

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A side

さ「…Aちゃん、付き合おっか？」

「ふぇ？」


人のこと言えないくらい変な声出ましたけど？
危うく持っていたカップを落としそうになって、飲もうとして持ち上げたのに、口にせずにコップを戻す。


さ「俺は…番うなら付き合って、結婚するつもりだったけど…Aちゃんは違う？」


え？
今のは告白？
ちょっと待って。
告白ってこんなあっさりしてるもの？
私が漫画やドラマを見過ぎなのか？
いや、でも話の流れ的には義務のような何か。


「いや…そんな恋愛関係まで縛ろうと思ってませんよ私。」


ただでさえ番えばオメガに縛り付けてしまうんだ。
私はさとみさんだけでいいけど、さとみさんは別に私に縛り付けられる必要はない。

思ったままを伝えれば、さとみさんは私の言葉に再びマジかーと小声で呟き、頭を掻きむしった。


さ「…ちょっと待って、整理しよ。俺たちは番予定だよね？」

「はい。」

さ「…俺が好きなのはわかってるよね？」

「何がですか？」

さ「あっ…そこから。」


何を言ってるんだこの人は。
さとみさんは自分を落ち着かせる様にコーヒーを一口飲んでため息をついた。


さ「俺、ちゃんとAちゃんが好きだよ。好きだから番いたい。」


あまりにもストレートな言葉に体温が上がるのを自覚した。


「そ、それはいわゆる運命の番というやつだからなだけであって、勘違…。」

さ「それでもいい。何でもいい。俺はAちゃんが好きだよ。」


真っ直ぐに見つめられて、何で返せばいいのかわからなかった。

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