話したい7【桃】

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Satomi side


こ「連れてきちゃった。」


ころんとコラボ動画の約束をしていたので、特になんの確認もせず、ころんの声だけ聞いて扉を開けた。
そうしたら、Aちゃんがいた。
当たり前のように固まる。

てかどうせならころんのその言葉、Aちゃんからききたかった。
なんか彼女っぽいじゃん。
"きちゃった"って来る女の子。

と、短時間で頭の中で妄想を繰り広げたあと、平静を装って二人を中に通す。

部屋、もっときちんと掃除しておけばよかった。


「…ごめんね？さとみくん。」

さ「いいよ。Aちゃんに会えて嬉しいし。」


上目遣い。
俺の家に来るだけなのに、しっかりメイクして、髪の毛も可愛く結んで、さらには上目遣い。
いや、無理、可愛い。

照れ隠しのように頭を撫でる。
ちょっと視界が腕で遮られるから、心を落ち着けるにはちょうど良い。
自分が落ち着いた頃に手を離せば、くすぐったそうに笑ってる。


こ「はーい、いちゃいちゃしてないで早くやろ。」

さ「うぃー。」


おいで、って促せば、お邪魔しますって靴を揃えて入ってくる。
好きな子が部屋に来るって妙に緊張。
変なもの置いてなかったよな？
大丈夫だよな？

あっ、そういえば…。


さ「Aちゃん、バレンタインありがとう。美味しかった。」

「ほんと？良かった〜！えへへ。どういたしまして！」


ギュッて抱きついてくる。
あまりの変わらない距離感に、Aちゃんはやっぱり自分の気持ちにはまだ気付いてないのか？と不安になるが、意識されて距離が離れても寂しい。
Aちゃんの気持ちが透けて見えれば楽なのに。

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