話したい7【桃】

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A side

こ「Aー、今日僕さとみくんとコラボ撮るけど、Aもくる？」


突然のころちゃんからのお誘い。


「私行ってもいいの？」

こ「来て怒りはしないと思うよ？」


え、許可取ってないの？
それ本当に私行っていいの？

そうは思ったが、自分の気持ちに素直に。


「行きたいっ！」

こ「うん。」


ころちゃんは優しく笑ってくれた。

バレンタインのときは変に緊張しちゃったし、他のメンバーのところも行きたかったから、あまり話せなかった。
だからさとみくんに会いたい。


こ「行こっか。」

「うん！…あっ、行く前にころちゃん髪の毛結んで？」

こ「え〜…。」


なんだかんだ言いながらゴムを渡したら結んでくれる。
ころちゃんに結んでもらってる間にメイクを直す。


こ「そんなオシャレしなくてもただ会うだけじゃん。」

「…ちょっとでも可愛いって思われたいもん…。」


こんなちょっとの努力じゃ何も変わらないかもしれないけど、好きな人の前では少しでも可愛くありたい。
あわよくば、可愛いって思われたい。


こ「どんなAでもさとみくんはフィルターかかってっから大丈夫でしょ。」


ぼそっところちゃんが何かを呟く。
距離が近いのになんて言ったか聞こえなかった。


「なーにー？」

こ「なんもー…っと、はい。終わり。」


横にあった髪の毛が少し視界から外れる。
触って前に持ってくると細い赤いリボンと自分の髪の毛。
ハーフツインがやっぱり一番可愛くて好き。


「ありがと！」


振り向いて抱きつけば、ころちゃんはいつだって受け止めてくれる。


「…ちょっとくらい可愛くなった？」

こ「はいはい。可愛いよ。」


ぽんぽん、と頭を撫でてくれた。
立ち上がったころちゃんに引っ張られるように私も立ち上がる。

さとみくんも、少しくらい可愛いって思ってくれるかな。

そんな期待でさとみくんの家に向かった。

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