話したい7【桃】

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こ「大丈夫？」


Aちゃんの声が外まで漏れていたのか、ころんが顔を出す。
ずっと繋いでいた手を振り払われた。
離れていかれて傷つくくらいなら、自分から離れてやると言わんばかりに。


「わかんない…わかんないもん…ぎゅってしてよ…。」


それなのに弱々しく搾り出されたのは、行動とは相反する言葉。
ころんは呆れたようにため息をついた。


こ「A、ちょっと向こう行ってな。」

「やだ！さとみくんといる！！」

こ「A！！」


大きな音が嫌いなAちゃんに、ころんが強い口調を出すのは珍しかった。
わかりやすいくらい肩が跳ねて驚くAちゃん。


こ「…ごめん。なーくん達のとこ行ってて。」


Aちゃんの手を引くころん。
少し強張ったAちゃんをみて、もう一度優しく語りかける。


こ「ごめんね、僕が間違えた。話しても辛くなっちゃっただけだったね。」


ころんの優しい言葉に少し気が解れたのか、言われた通りころんについていく。

なーくん達の元に送り届けたころんは再び俺のところに戻ってきて、扉を閉めた。


こ「ごめん。僕が言ったのに。」

さ「いや。大丈夫。」

こ「ほっといたらダメかな、と思ったんだけど…ここ最近大分頑張ってたからやっぱ動くには早すぎたかぁー…。」


頭を抱えるように座り込むころん。


こ「ごめんね。大分八つ当たりみたいなことされたでしょ？」

さ「八つ当たりというか…。」

こ「…なに、言い淀んで。」

さ「Aちゃんに告白めいたことされたというか…。」

こ「はぁ！？」

さ「ちょ、おまっ！うるさい。…Aちゃん自身気付いてないから告白とはちょっと違うけどさ…Aちゃんって俺のこと好き？」

こ「え？今更気付いたの？」

さ「は？」

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