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「お前らー、そろそろ帰れよー。」


見回りの先生が私たちが喋ってるのを見て声をかける。
気付けば下校チャイムギリギリの時間だ。


「話し込んじゃったね。」

「あー楽しかった。じゃあねー。」


そこから一緒に帰るわけでもなく、教室内で別れる。
おかしな集団だ。
私にはよくわからない。

下駄箱と反対側にむいて、図書室に向かう。
るぅちゃん、多分まだいるよね。


「あっ、Aちゃん!遅かったね。」


先輩こそ…まだいたんだ…。
るぅちゃんは…あっ、いた!


「そうなんですか?」

「うん、これとか。この作者、本当すごい最後がどんでん返しで…って、ネタバレになっちゃう!」

「気にはなってたんですよ〜。今の読み終わったら読もうかな…。」

「うん!見てみて!」

「ありがとうございます!僕のおすすめはですねー…。」


知らない女の人と話してる。
人見知りのるぅちゃんが、会話をつなげてる。


「あれ?Aちゃんのことだからあんな姿見たら拗ねて割り込みに行くと思ったのに。」


先輩がニヤニヤしながらこっちを見てくる。
しないよ。
だって私、彼女じゃないし。
ドラマとか、漫画とかなら割り込むかもしれない。
でも私はそんなやつによく出てくる、天然主人公じゃない。
理性が引き止めてしまうんだ。


「じゃー俺と帰ろうか。」


昨日みたいに手を引かれる。
るぅちゃんと女の人が気になって、避けることができなかった。
ねぇるぅちゃん、昨日みたいに来てよ。
帰るよ、って言ってよ。
引っ張るこの手はるぅちゃんがいいよ。


「泣きそう。」


先輩が私の頬を包む。
顔が近付いてくる。
なんかもう、いいかな。
長年の片想いは、こんなにもあっさり終わりを迎える。
十何年も片想いして、振り向いてくれなくて、宙ぶらりん。
いっそ先輩が塗り替えてくれたら、すぐに楽になるのかな。
あと数センチで唇が触れる。

ー→←ー



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唯凛(プロフ) - かかおさん» コメントありがとうございます!お返事遅くなりましてすみません。大好きなアイドルグループ…!?もしや同志様…!?どのグループだ!?と勝手に興奮しておりました。私の好きな曲・歌詞の世界観が少しでも伝わるように表現できていたら嬉しいです。 (2022年4月23日 22時) (レス) id: 00bd452271 (このIDを非表示/違反報告)
かかお - 初コメ失礼いたします。別作品からここへ飛んできたのですが、もう!!ほんとに!!大好きなアイドルグループの歌詞を題材にされた大好きな人たちの物語…最高すぎます!!さらに文章も素敵で…ほんとにほんとに、ありがとうございます!!最高です!! (2022年3月24日 5時) (レス) id: 162bd117a7 (このIDを非表示/違反報告)
唯凛(プロフ) - 雨歌さん» コメントありがとうございます。文章に含められなかったところを書いているところまで読んでいただけて嬉しいです!!色々詰め込みすぎて読みづらいかなーと不安になる時もあるので、文に込めた想いが伝わっていましたら幸いです。 (2021年6月16日 21時) (レス) id: 1df965d2ca (このIDを非表示/違反報告)
雨歌 - 唯凛さんの最後にかいてある言葉にめちゃくちゃ泣きそうになりました()文の書き方も上手いし、キュンキュンして最高でした! (2021年6月2日 16時) (レス) id: ed2ca2f433 (このIDを非表示/違反報告)
唯凛(プロフ) - みなさん» みなさんこんなところまでありがとうございます〜!!曲イメージで書くのが好きなのと、向こうの夢主ちゃんのキャラでは難しいものとか、思いついた時用に作ってしまいました〜(°▽°) 見ていただけてとっても嬉しいです〜!! (2021年1月2日 14時) (レス) id: b5bb78bb55 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:唯凛 | 作成日時:2021年1月2日 12時

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