第四十四話 宣戦布告 ページ47
gr《諸君、これより緊急会議を行う》
インカムの向こうで、グルッペンさんの重低音が聞こえる。私は暗殺部隊の訓練場へと走りながらそれに耳を傾けていた。
gr《チーノがa国に捕らえられた。身許は早いうちに割れるだろうから、すぐに殺される事は無いと考えていいだろう》
kn《a国にもなかなか聡い祭司が居ったもんやな》
sha《単に薬漬けの頭イッとる奴らやないっちゅー事や》
コネシマ先輩とシャオさんの軽い煽りに肩を竦めつつ、窓から飛び降りて中庭を突っ切る。
『確かに、乱用者の目では無かったですね…あの上級祭司さんは』
ht《そっかぁ…不思議だね》
em《おかしいですね…"香"の場に立ち会っとる筈なんやけど。祭司には影響は無いんでしょうか》
エーミールさんの疑問の声を聞きつつ、足元の小石を拾って訓練場の窓に投げ入れた。今は夏だから、開け放たれてはいるのだが。いきなり飛び込んで、不審者だと思われて反射で殺されても困る。これはいつも私やゾムさんが外から訓練場に入るときに行う合図だ。
『ガスマスクでもしてるんですかね…』
gr《A、お前と俺の仮説の線がやや濃くなったと思わないか》
『え…？ああ、聖殿が国家乗っ取りを謀ろうとしているのではというやつですか？』
壁を蹴り、部屋の中に勢いよく飛び込む。少し片手を上げて挨拶すれば、部隊の人たちはいつものように微笑んでくれた。
gr《そうだ。乗っ取るとまではいかなくても、懐柔くらいは目標にしている可能性がある。奴等は"聖女"という建前を振り翳す事が出来るからな》
kn《…
tn《何が成る程やねんお前》
珍しく1人で訓練場に来て通話をしている私に違和感があってか、部隊の皆が次第に周りに集まってくる。
『でも…聖女様が皇宮にいるなら、皇帝側は聖女様を人質に出来るのでは？』
そうなればただの内紛だ。
os《兎に角、こっちにはチーノを返せっていう大義名分が出来た訳や》
gr《あぁ…この際、叩いておくのもアリだろうな。ロボロ、ゾムとショッピ、大先生はどうだ？》
rb《壁ぶち破って脱出成功、ガバガバ兵の警戒を潜り抜けて国境越えるとこや》
グルッペンさんが相槌を打ちかけた時、城内にけたたましいサイレンが鳴り渡った。
gr《…こちらから動くまでも無かったようだな》
呟いたグルッペンさんに続けて、マンちゃんが静かに言った。
os《…只今、我が国はabc皇国からの宣戦布告を受けました》
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あくら、 - 久しぶりに夢小説読んだんですがゆうり様の作品最高すぎですね(*´꒳`*) (2022年6月1日 17時) (
レス) @page3 id: d4efbb01c8 (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(プロフ) - 楽しく読まさせていただきました。インクではないですが、洗剤で紙に文字を書き、乾燥させてから書いた紙を濡らすと文字が浮かび上がるそうですね。 (2022年4月8日 21時) (レス) id: 1e5fccc68e (このIDを非表示/違反報告)
カナリア - 安らかに眠れwwとびらww (2021年1月10日 11時) (レス) id: e6d62c8537 (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬(プロフ) - 毎回夢ちゃんの葛藤、そして皆からの愛情が伝わって胸きゅんが止まりません...これからも応援してます！ (2020年12月24日 12時) (レス) id: 3009402549 (このIDを非表示/違反報告)
しぇけなべいべ(プロフ) - 少し。ほんの少し。書き方変えましたか......??まぁ。それは置いといて。毎日更新ありがたいです.....!!!!! (2020年12月20日 23時) (レス) id: a746dec877 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうり
| 作成日時：2020年12月7日 19時
