第三十八話 始まり ページ41
kn「いやぁA！とうとうここがお前の第一コミュニティになったんか！」
悪びれもせずにずかずかと入って来たコネシマ先輩が、力強く私の背中を叩く。
『第一…コミュニティ？』
syp「家族ってことっすよ」
『はあ…』
コネシマ先輩は家族のことをそう呼ぶのか…随分と独特だ。
『じゃあ、僕とコネシマ先輩も同じコミュニティの仲間なんですね』
"家族"の価値観が自分と酷似しているコネシマ先輩。私は、この人の側に立てるだろうか。そう思いながら微笑む。
kn「！…そうやな」
コネシマ先輩はちょっと驚いたような顔をした後、すぐに満面の笑みを浮かべて私の頭を乱雑に撫でた。
ut「え゛え゛話゛や゛ぁ゛……」
鬱さんも泣きながら駆け寄ってきた。走り方が乙女なのはボケなんだろうか。
ht「良かったぁ、嫌で泣いたとかじゃなくて」
sha「ほんまほんま。そうだったら俺らが泣いてまうわ」
os「せやぞ〜？」
次々に総統室に入っては、ポンと私の頭をはたく幹部の人たち。その手つきがあまりにも本当の兄のように慈愛に満ちているものだから、いちいち涙腺を締めないといけない始末だ。
rb「んふ、あんさんとは俺も約束したもんなぁ」
em「えっ…初耳なんですが」
……幸せだな。目の前で繰り広げられる遣り取りを見て、改めて思う。月奈、私やっぱ幸せだよ。お前が自らの意思で跳ね退けたものは、こんなにあたたかで大きなものだったんだよ。
zm「A」
ふいに、ゾムさんに名前を呼ばれてそちらを見る。間近にはいつも私を愛しげになぞってくれる手があった。差し伸べられたそれを取っては立ち上がる。
『はい』
くいと顎で指し示された通りに、グルッペンさんの方を見た。
gr「さて、話を戻そうか。少年、調査をしたいと言ったな？」
『はい、確かにそう申し上げました』
頷けば、たちまちグルッペンさんの瞳が悪戯っ子のような奇妙な光を宿す。
gr「任務だ、A」
地から腹へと這い上がってくるような低い声に、居ずまいを正して向き合った。
gr「
『へ…？』
侵入するのとは訳が違う。素人にそんなこと出来ないと思うのだが。クエスチョンマークを頭の上に浮かべていると、トントンさんが吹き出した。
tn「表情豊かやなぁ…見てて飽きへんわ」
『はぇ…』
恥ずかしくなって俯くと、ロボロさんに下から覗き込まれる。
rb「一緒に頑張ろな」
それを見て、グルッペンさんが不敵に笑った。
gr「さぁ、我々国の始動だ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 894人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あくら、 - 久しぶりに夢小説読んだんですがゆうり様の作品最高すぎですね(*´꒳`*) (2022年6月1日 17時) (
レス) @page3 id: d4efbb01c8 (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(プロフ) - 楽しく読まさせていただきました。インクではないですが、洗剤で紙に文字を書き、乾燥させてから書いた紙を濡らすと文字が浮かび上がるそうですね。 (2022年4月8日 21時) (レス) id: 1e5fccc68e (このIDを非表示/違反報告)
カナリア - 安らかに眠れwwとびらww (2021年1月10日 11時) (レス) id: e6d62c8537 (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬(プロフ) - 毎回夢ちゃんの葛藤、そして皆からの愛情が伝わって胸きゅんが止まりません...これからも応援してます！ (2020年12月24日 12時) (レス) id: 3009402549 (このIDを非表示/違反報告)
しぇけなべいべ(プロフ) - 少し。ほんの少し。書き方変えましたか......??まぁ。それは置いといて。毎日更新ありがたいです.....!!!!! (2020年12月20日 23時) (レス) id: a746dec877 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆうり
| 作成日時：2020年12月7日 19時
