イベントその2：体育倉庫 ページ8
昼下がりの部室で、謎の寒い空間が作り出されている。
『変な空気のところ悪いんだけど、次のイベント展開知っておきたいからそろそろゲーム進めてもいいかな』
頭上のゾムに声をかける。
zm「…分かったわ」
渋々、という様子でゾムが私の頭を解放し、隣に座り込んだ。
『あ、場所はそこに陣取るんすね』
ht「俺がAちゃんの隣に座ってたのに…」
追いやられたひとらんが文句を垂れている。可哀想に。
tn「ほんで、次のはどんな感じなんや」
トントンがにゅっとソファの後ろから顔を突き出してきた。鮮やかな赤いマフラーが私の視界の端をちらちらと掠める。
『体育倉庫に道具とかを置きに行く仕事を悪役に押し付けられたヒロインちゃんが、大量の荷物を持ってフラフラ廊下を歩いているところを攻略対象が追いかけて行って助ける、ってやつか』
em「乙女ゲーあるあるってとこですかね」
gr「ふむ。なになに、えーと…」
グルッペンがゲーム画面の字幕を追い出した。
gr「この人せんぱ…ヒロインの台詞か、ん゛っ゛ん゛こ、この人先輩かな？細いのに力あるんだなぁ…(裏声)」
ut「グルちゃんだいぶキツそうやね」
gr「そんなぁことないよ？(裏声)」
いや、結構キツそうだよ。そこ粘らなくていいよ、認めなよ。そんな遣り取りを華麗にスルーして、食い入るように画面を見つめていたロボロが口を開いた。
rb「ここのキャラはシナリオの指定みたいやな……これ、オスマンちゃうか？」
ほら、と指された先にいる攻略対象は、確かに糸目で長めのふわふわヘアーのキャラだった。
sha「ほんまや」
kn「良かったやん」
ほんとだよ、ヒロインちゃんと居れる時間増えたんだからいいじゃん。
os「やっためう〜！Aちゃん、一緒に行こうな」
『え、マンちゃんクラスどころか学年違うじゃん…てか私仕事押し付ける役なの？何か可哀想で嫌だわ』
zm「しっかりせぇや悪役〜」
……分かってるって。危なくない程度の量にするよ、残りは私が自分でやるし。
『じゃ、マンちゃん放課後会おう』
os「楽しみにしてるめう〜」
私は全然楽しみじゃないけどな。何をもってヒロインちゃんをいじめなきゃならないんだよ…
kn「さ！5,6限受けに行こや」
コネシマに背を押され、セーブしたゲームを置き去りにして部室を去る。忘れてたわ、まだ昼休みじゃん。教室まで戻る途中、担任に声をかけられた。
「A、これら体育倉庫に運んでおいてくれ、頼んだ」
…これがイベントの原因だな。
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ゆうり(プロフ) - 梟の飢ル雨 キルウさん» あらーーありがとうございます！！投げキッスで返しますね(？) (2020年11月18日 22時) (
レス) id: 5789c02b18 (このIDを非表示/違反報告)
梟の飢ル雨 キルウ(プロフ) - あぁー…好きです。（フラれる自信アリ） (2020年11月18日 21時) (レス) id: ef849ddc1e (このIDを非表示/違反報告)
ゆうり(プロフ) - ゆずのさん» ありがとうございます！！うあーー途中で人差し替えたら台詞変えるの忘れてました……修正してきます (2020年10月18日 20時) (レス) id: 5789c02b18 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずの(プロフ) - 素敵な作品で、楽しく読ませていただいてます！ただ、htさんは関東勢なので関西弁話しているのは違和感…。 (2020年10月18日 20時) (レス) id: d277476c39 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうり(プロフ) - 暇人な名無しさん» なるべくコンスタントに更新していくつもりですので、気長にお待ちいただけたらと！頑張ります！！ (2020年10月13日 17時) (レス) id: 5789c02b18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうり
| 作成日時：2020年9月30日 19時
