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zm「視界が高くなった気持ちはどうや」
『驚くなよ、全く嬉しくない』
ゾムが私の脇の下に手を入れてふわっと持ち上げるような体勢で訊いてくる。お前どんだけ力持ちなんだよ、STR高すぎワロス。ってそれどころじゃないわ。
『た…助けてヒロインちゃん……』
「え、そんなこと言われても…私も何が起きてるのかちょっと」
何？この図。何で悪役が攻略対象に担がれてヒロインに助けを請うてるの？？しかも「無理です」みたいな反応されたし。え、これイベントという名の罰ゲーム？やっぱ悪役っていじめられてる？？製作者に。
『…ﾁｯ、"ゲームの強制力"って行動には効くんじゃなかったんかい』
誰にも聞こえないような声で呟く。話が違うよ強制力このやろう。何なの？？強制力の仕事ってお膳立てするとこまでで終わりなの？そんな「あとは頑張って☆」みたいな放任主義な感じでいいの？？？
『降ろして、ゾム…ｻﾏ』
様付けの存在忘れてたとかじゃ全然あります。同級生にもなのかと思うと吐き気が止まらないぜｵｰｲｪｲ。
zm「おし、行くでA！！」
『ねぇ日本語通じてる？』
あの、このままだと著しくシナリオからズレるんですが…ヒロインちゃんだってそんなの望んじゃいないでしょ？良い感じに言いくるめて助けてくれ。
「ま、待ってください！」
必死な思いが届いたのか、わざわざ私をがっつり抱っこし直して走り出しかけたゾムのパーカーを、ぎりぎりのところでヒロインちゃんがキャッチした。
『うわ天才、やっぱ友達になろうよ』
「はい？」
え、ガチトーンで返さないでよ泣く。
zm「何や」
ゾムは何故か私を抱えたことでご機嫌になったらしく、ヒロインちゃんに笑顔で応対している。んーー、これで私を降ろしてくれりゃな…私はハッピーNL観察会を開けるのに。
「あっ、えっと、その…た、助けてくれてありがとうございました」
えへ、とヒロインちゃんが眉を八の字に下げて笑う。切り換え速いな、君。そして可愛い。
zm「ええんやで！」
ゾムが明るい声音で言う。いい流れになってきたぞ。
「優しいんですね」
ヒロインちゃんはニッコリ笑う。うーん、これでオちなかったら攻略対象じゃないよ。ゾムは元気に続ける。
zm「こちらこそ、Aに抱きつく正当な理由くれてありがとうな」
「『は？』」
思わずヒロインちゃんとハモっちった。
zm「じゃあ俺ら帰るんで。チッス」
ゾムはそう言うと、私を抱えたまま走り出した。
『おい待てこら』
自由か。
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ゆうり(プロフ) - 梟の飢ル雨 キルウさん» あらーーありがとうございます！！投げキッスで返しますね(？) (2020年11月18日 22時) (
レス) id: 5789c02b18 (このIDを非表示/違反報告)
梟の飢ル雨 キルウ(プロフ) - あぁー…好きです。（フラれる自信アリ） (2020年11月18日 21時) (レス) id: ef849ddc1e (このIDを非表示/違反報告)
ゆうり(プロフ) - ゆずのさん» ありがとうございます！！うあーー途中で人差し替えたら台詞変えるの忘れてました……修正してきます (2020年10月18日 20時) (レス) id: 5789c02b18 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずの(プロフ) - 素敵な作品で、楽しく読ませていただいてます！ただ、htさんは関東勢なので関西弁話しているのは違和感…。 (2020年10月18日 20時) (レス) id: d277476c39 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうり(プロフ) - 暇人な名無しさん» なるべくコンスタントに更新していくつもりですので、気長にお待ちいただけたらと！頑張ります！！ (2020年10月13日 17時) (レス) id: 5789c02b18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうり
| 作成日時：2020年9月30日 19時
