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ci「ゲームの展開知ってるはずやのにあれってどういうことやと思います？」
ヒソヒソとチーノが囁きかけてくる。
『いやぁ、わからん。あらかた「思ったよりも土砂降りすぎて折り畳み傘程度じゃ教材死ぬわオワタ」的なとこじゃないの』
ci「わからないとか言った割には子細に考察してますね」
というか何だろう、お互いに展開知ってる上でお互い展開通りに動くとか面白すぎるよね。
「うーーん、教科書濡らしたくないな。ビニール袋とかあったかな…」
ヒロインちゃんはガサゴソと自分の鞄を探り始めた。
『そろそろいいタイミングじゃない？』
ci「じゃあ行ってきますね」
『何か見てたら可哀想になってきたしさ、私の傘持ってってあげてくれない？折り畳み傘も持ってるから私はなんとかするし、チーノも傘ないと困るでしょ』
あの様子を見ていると、高慢ちきで世界を思い通りに回したい、というよりは夢みがちすぎて浮かれて地に足ついてない、みたいな感じを受けるんだよね。まあ、どちらにせよ私が悪役に仕立て上げられたことに変わりはないんだけど…
ci「A先輩の傘で大丈夫なんです？僕自分の折り畳みなら持ってますよ」
『どっちにしろ父さんのだから男物だしバレないでしょ。それに折り畳み以外は持ってないんでしょ、あんたが濡れる方が心配』
風邪ひかれたりしても…ね。間近で大雨の中走り去る後輩を見てたのに放置してました、じゃ先輩失格だっての。
ci「優しいですね」
チーノはへにゃっと笑ってそう言うと、意を決したように私の傘を片手にヒロインちゃんの方へと駆け寄って行った。
『んーー絵になるねぇ』
身長の高いチーノと、可愛らしいサイズのヒロインちゃんはよくお似合いだ。他人の微笑ましい図、外から眺めるの好きなんだよね。ま、あのヒロインちゃんの真の性格とか、本当に考えてることはよくわからないけど。
『じゃ、私はここらで帰るかね』
折り畳み傘を取り出して、昇降口から外に出る。その時、チラリとこちらを見たヒロインちゃんと目が合った。
「…」
無言でニヤリとするヒロインちゃん。…やっぱ性悪かも知れんわ。貴女の挑戦、受けてあげるよ。私、意外と君のこと嫌いじゃないよ。グルッペンの提案に乗ろう、必ず私を貴女の攻略対象にしてやるから。
『悪役は帰りますよ』
口パクでそう伝え、雨の道を1人歩き出す。と、後ろから猛スピードで何かが走って来た。
ci「先輩一緒に帰りましょ！」
…アホかお前、ゲーム展開無視すんな。
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ゆうり(プロフ) - 梟の飢ル雨 キルウさん» あらーーありがとうございます！！投げキッスで返しますね(？) (2020年11月18日 22時) (
レス) id: 5789c02b18 (このIDを非表示/違反報告)
梟の飢ル雨 キルウ(プロフ) - あぁー…好きです。（フラれる自信アリ） (2020年11月18日 21時) (レス) id: ef849ddc1e (このIDを非表示/違反報告)
ゆうり(プロフ) - ゆずのさん» ありがとうございます！！うあーー途中で人差し替えたら台詞変えるの忘れてました……修正してきます (2020年10月18日 20時) (レス) id: 5789c02b18 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずの(プロフ) - 素敵な作品で、楽しく読ませていただいてます！ただ、htさんは関東勢なので関西弁話しているのは違和感…。 (2020年10月18日 20時) (レス) id: d277476c39 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうり(プロフ) - 暇人な名無しさん» なるべくコンスタントに更新していくつもりですので、気長にお待ちいただけたらと！頑張ります！！ (2020年10月13日 17時) (レス) id: 5789c02b18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうり
| 作成日時：2020年9月30日 19時
