愛情と嫉妬 No side ページ14
『ちょっと、だから自分でやるって言ってんだって！！』
返せと言わんばかりに服を掴んでグイと引っ張る少女を、長髪の少年が涼しい顔でひょいと避ける。すぐ側の教室からは、やれやれというような表情をした少年たちが顔を出している。
os「結局運ぶんやったら誰がやっても同じめう〜」
『残念だったな、そのあざとブレードは私には効かん』
ｼｭｯと手をクロスさせて前身をガードするポーズをとる少女。その場の人々の顔に、笑みが溢れる。
ut「何？あざとブレードって」
rb「ネーミングセンス悪ぅ…」
kn「お前おもろいな。意味わからんけど」
zm「あざwあざとwwwブレwwードwwww」
『何か文句あんの？そんなことより荷物返せし』
窓から午後の陽光が射し込む明るい廊下で繰り広げられる、くだらなくて平和な会話。ぷんすこ怒る少女の周りで、少年たちは愛情のこもった目をして立っていた。
ut「じゃあもう皆で行こか」
os「あれ」
ht「そうしよそうしよ、荷物だってちゃんと分担して持てば返したことになるでしょ？」
少女は顔を顰めて、ちょっと考える素振りをした後、諦めたようにため息をついた。
『わかったよ、もういいよそれで』
kn「じゃあお前の鞄は俺が持ったるわ」
『え、何か見返り要求されそうで嫌』
kn「当たり前やん、俺が善意だけで動くわけないやん」
『は？』
rb「知ってた速報」
騒がしく話しながら、結局少年たちに押されて渋々少女も歩き出す。
『1人でも持てるってさっき言ったのマンちゃんじゃんか』
ぶつくさ文句を垂れながらも、手伝ってくれたことへの感謝はあるらしく、少女は
『…ま、ありがとう』
と下を向いて小声で言った。それを聞いた少年たちは顔を見合わせるとたちまち笑顔になり、嬉しそうに各々の持った用具を揺らしてはにかんだ。
os「あーあ、俺だけで連れてくつもりやったんやけど」
長髪の少年がボソッとぼやいたのを、近くにいた少年たちが聞き付けて小突く。
zm「抜け駆け無しや言うてるやろ」
ht「マンちゃんズルだよ」
os「少しチーノに習っただけやん」
コソコソ話している3人を、少女が怪訝そうに振り返る。
『どうかした？』
zm「何でもないで」
1人の少年が駆け寄って少女の肩に手をかけた。
『おいこら重いんだよ』
仲良さげに談笑する彼らは、端から見ても少年たちが少女を大切にしているのがわかるようだった。その様子を物陰から眺める少女が1人。彼女はキツく歯ぎしりをして、逆方向へと歩いていった。
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ゆうり(プロフ) - 梟の飢ル雨 キルウさん» あらーーありがとうございます！！投げキッスで返しますね(？) (2020年11月18日 22時) (
レス) id: 5789c02b18 (このIDを非表示/違反報告)
梟の飢ル雨 キルウ(プロフ) - あぁー…好きです。（フラれる自信アリ） (2020年11月18日 21時) (レス) id: ef849ddc1e (このIDを非表示/違反報告)
ゆうり(プロフ) - ゆずのさん» ありがとうございます！！うあーー途中で人差し替えたら台詞変えるの忘れてました……修正してきます (2020年10月18日 20時) (レス) id: 5789c02b18 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずの(プロフ) - 素敵な作品で、楽しく読ませていただいてます！ただ、htさんは関東勢なので関西弁話しているのは違和感…。 (2020年10月18日 20時) (レス) id: d277476c39 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうり(プロフ) - 暇人な名無しさん» なるべくコンスタントに更新していくつもりですので、気長にお待ちいただけたらと！頑張ります！！ (2020年10月13日 17時) (レス) id: 5789c02b18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうり
| 作成日時：2020年9月30日 19時
