言わないだけ os side ページ13
「あの、ありがとうございました…オスマン先輩」
おずおずとした様子でそう言う、目の前の少女。
『ええよええよ、持ちつ持たれつが世の理や』
とりあえずシナリオにあった台詞で返す。どこまでもゲーム脳やなぁ。俺やって台詞くらい一回見てるから全部わかってるけど、あんまり従いたくないんよな。
「いえ、大変だったところに声をかけていただけて嬉しかったです」
フワッと笑う少女は、可愛らしいっちゃ可愛らしい。んーー、俺らとAが出会う前とか、Aがゲーム通りの悪役ちゃんだったら、俺らの殆んどはこの子にオトされてそうやねぇ……俺は違うけど。
「えっと……また会えたら嬉しいです」
あらー、ほんとに全部台詞暗記してるの？ってくらいぴったしやね。Aに自信満々でゲーム叩きつけたこと忘れてるんとちゃうかってレベルなんやけど。
『……機会があったら、な』
ひらっと手を振って倉庫から出る。この子より先にAちゃんのとこ戻ろ、どうせ今頃残りの荷物運ぼうとかしとるやろうし。
「あのっ！」
何か言いかけていたけど、シナリオのストーリーは俺が手を振って去るとこまでで終わっとるはずや。なら答える義理はない、とスタスタ2年の教室まで歩く。
『別に1人で出来るってば！』
ht「でもやっぱ心配だよ」
rb「しっかり周りに頼っていけぇ？」
ut「そうそう、俺ら男なんだから便利に使ってや」
近くまで来ると、ｷﾞｬｱｷﾞｬｱ騒ぐ後輩たちの声が聞こえてくる。
『じゃあさっさと行ってくるから部室に鞄持ってっといて』
zm「そう来るんや」
kn「なんでやねん」
学年が違うとそれだけで関わりが減るから、正直あいつらが羨ましい。ええよなぁ、日常的にAと話せて。
『うるさい！私もう行くから先部室行ってて！』
ドアから教室を覗こうとした時、何かがﾋｭｯと飛び出してきた。
『うわぁっ！？…っと』
体育用具を抱えたまま俺に突っ込みかけたAちゃんは、急ブレーキをかけて踏み留まった。
「そのまま飛び込んできてくれてもよかったんやで」
それはそれで役得なんだよな。そう思って言ったのだが、彼女はジト目でこちらを見て
『もう、マンちゃんからかわないで。ヒロインちゃんとはうまくいった？』
と言ってきた。
「当たり障りなく」
その言葉に胸を撫で下ろした彼女の手からパッと荷物を取り上げる。「持てる」のと「俺が持ちたいから持つ」のは違うんやからOKやろ？なぁ、逃がさへんで、俺らの"ヒロイン"ちゃん。
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ゆうり(プロフ) - 梟の飢ル雨 キルウさん» あらーーありがとうございます！！投げキッスで返しますね(？) (2020年11月18日 22時) (
レス) id: 5789c02b18 (このIDを非表示/違反報告)
梟の飢ル雨 キルウ(プロフ) - あぁー…好きです。（フラれる自信アリ） (2020年11月18日 21時) (レス) id: ef849ddc1e (このIDを非表示/違反報告)
ゆうり(プロフ) - ゆずのさん» ありがとうございます！！うあーー途中で人差し替えたら台詞変えるの忘れてました……修正してきます (2020年10月18日 20時) (レス) id: 5789c02b18 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずの(プロフ) - 素敵な作品で、楽しく読ませていただいてます！ただ、htさんは関東勢なので関西弁話しているのは違和感…。 (2020年10月18日 20時) (レス) id: d277476c39 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうり(プロフ) - 暇人な名無しさん» なるべくコンスタントに更新していくつもりですので、気長にお待ちいただけたらと！頑張ります！！ (2020年10月13日 17時) (レス) id: 5789c02b18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうり
| 作成日時：2020年9月30日 19時
