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『帥は音量調節と言う物を知らぬのか？』
取り乱した色は見せつつも、相変わらず表情を変えないAがコネシマを見る。
kn「何で口調戻んねん」
『他人と話す時にはこうしろと、先代に言われた』
kn「お前みたいなガキにそんな話し方合わんわ」
コネシマが溜め息をつくと、Aは少しムッとした様に言った。
『ガキとは失礼な。私はもう18。祖国ならとっくに成人している年齢』
兄だけは、心を許して話せる特別な存在なのだ。ひとらんらんに隠れる様にしてこそこそとゾムたちを見るAは、とは言えまだ子供っぽさの残る瞳をしている。
zm「にしても、"兄さん"って…ひとらん、そいつの兄やったん？」
こてんと首を傾げて訊くゾムに、マスクの彼は首を振った。
ht「血は繋がってないよ。乳兄妹」
zm「ほーん……同じ乳で育ったからそっくりなんかな」
ボソッとゾムが溢した言葉に、Aは思わず噎せ返る。全くこの男ときたら、身も蓋も無い事をさらっと言うのだから頂けない。
『ﾌﾞﾌｯ!ｹﾞﾎｯｺﾞﾎ……どういう意味』
zm「？さっき言うたやん。刀の振り方似てんねん」
『…それは、剣術の手解きをしてくれたのが兄さんだから』
呼吸を整えて咳払いをしたAを見ながら、ひとらんらんは固い声を掛ける。
ht「で、二人は何しに来たの？…Aに無理強いしようとするなら、いくらグルちゃんからの指令でも許容出来ないよ？俺、一応母国からA─鶴妃の護衛を頼まれてるからね」
刀に手を掛けた兄を一瞥し、Aはそれを制して視線を二人に戻す。そして、つっとゆびを空中で滑らせる様な動作をする。連動してか契約書が宙を浮いて移動し、ゾムの手中に押し込まれた。
zm「こんなんも出来るん！？」
『……何度でも言うけれど、この契約は無し。私が築きたいのは対等で暖かみのある小さな繋がりであって、帥等権力者に政治目的で利用される関係では無い』
zm「……」
心底迷惑そうな声音でそう言うと、Aは欠伸を噛み殺しながらそれきり黙ってしまった。ゾムとコネシマも、下手な遣り取りは己を傷付けかねないと感じ口を噤む。
『茶は飲み終えた？』
唐突に言ったと思えば、勢いに負けて頷く二人を見てAはひょいと宮の戸を指差した。空気を押すような仕草をすれば、何かに操られる様に戸は独りでに開く。
『ならば帰れ。もう話す事は残って居ない』
……これ以上の会話は無意味か。そう悟った幹部二人は、言われるがままに背中を向け、鶴宮を後にした。
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燐(プロフ) - もしかして烏妃さんがモデルですか?お話とても面白かったです！ (2021年2月4日 0時) (
レス) id: aa80ce7edc (このIDを非表示/違反報告)
犬キナ - あっチッス！犬きなこのべつあかっす！誤召喚お気に入りしてた、、、今回も神作品っすね！更新頑張ってください！ (2021年2月3日 23時) (レス) id: 48a9631c32 (このIDを非表示/違反報告)
唐揚げ(プロフ) - 烏妃パロ？ (2021年2月3日 19時) (レス) id: 6975836a4f (このIDを非表示/違反報告)
なコ - ………あ、あぁ←。最高っすね！なんでこれまた神作品というものが出来んのか…(？？)設定が…もう、好き。更新頑張って下さいッす！ (2021年2月1日 16時) (レス) id: 5cc4ee344d (このIDを非表示/違反報告)
ぽむ(プロフ) - ｱｯ…(コメント失礼します。今作も好きすぎます、めっちゃ尊いです。鶴妃って…なにそれ好き…(2回目)。無理せず、更新頑張ってください！) (2021年1月31日 23時) (レス) id: 277b16b527 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうり
| 作成日時：2021年1月31日 23時
