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ゾムとコネシマは思わず息を呑んだ。
下駄を突っ掛けて出てきたのは、雪の如く光を乱反射する純白の服に身を包んだ少女だった。彼女の滑らかな黒い髪は、その白さに一層映えて見える。双輪に結われた髪に刺してある簪が、木漏れ日に当てられて輝いた。
一言で表せば、「鶴」。それを擬人化したかのような美しさを持つ彼女の顔と声には、まだどこか幼いあどけなさが残っていた。
『菊、私は今瞑想をしていたんだから静かにして居てと……あれ』
菊と言うのは、この鶴の名前なのであろう。カラコロと下駄を鳴らして鳥居近くまでやって来た少女は、二人の男の姿を認めて意外そうな顔をした。
『こんな昼間からお客様とは珍しいな。何か頼み事？』
……外見に似合わず、態度のでかいガキだ。こいつが鶴妃やろうな。コネシマはイラッとして口を開きかけたが、少女の瞳に馬鹿にする様な色は浮かんでおらず、ただ静かな黒海が広がっているのを見て、すんでの所で言葉を呑み込む。
zm「俺らはお前と契約を結びに来たんや。この意味は解るやろ？」
我々国の幹部が直々にこんな辺境まで足を運んだのだ。突き返すとは言わせない。そんな威圧をしたつもりだったのだが、少女はぴくりとも表情を動かさずに返す。
『
とんだ失礼をかましてくれる。ゾムは話の通じなさにげんなりしたが、コネシマがすかさずフォローに回った。
kn「それもそうやな、こっちがお前を一方的に知っとるだけやし。アンフェアやろ、最低限の礼儀として自己紹介は省いたらあかんかったわ。俺はコネシマ、一応この国の政治機関の人間や」
黙って頷く少女に、今度はゾムが名乗った。
zm「…ゾムや」
『…あぁ。良く町人から聞く名』
納得した様に言う彼女に、ゾムは目を見開く。
zm「街の奴と話すんか」
『当たり前。人との関係は大切にしろと、先代が言っていたから』
意外やな、とコネシマは唸る。引きこもりの姫と言う訳では無さそうだ。…何より、帯刀しているのが不思議ではあるのだが。
『遠路遥々大変だっただろ。立ち話も何だから上がって行くと良い』
それだけ言ってさっさと宮に引き返した小さな背中を急いで追いながら、ゾムが尋ねた。
zm「お前の名前は？」
『それは必要な情報？』
zm「っ、おん」
鶴妃は溜め息をついて振り返ると、短く答えた。
『…A』
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燐(プロフ) - もしかして烏妃さんがモデルですか?お話とても面白かったです！ (2021年2月4日 0時) (
レス) id: aa80ce7edc (このIDを非表示/違反報告)
犬キナ - あっチッス！犬きなこのべつあかっす！誤召喚お気に入りしてた、、、今回も神作品っすね！更新頑張ってください！ (2021年2月3日 23時) (レス) id: 48a9631c32 (このIDを非表示/違反報告)
唐揚げ(プロフ) - 烏妃パロ？ (2021年2月3日 19時) (レス) id: 6975836a4f (このIDを非表示/違反報告)
なコ - ………あ、あぁ←。最高っすね！なんでこれまた神作品というものが出来んのか…(？？)設定が…もう、好き。更新頑張って下さいッす！ (2021年2月1日 16時) (レス) id: 5cc4ee344d (このIDを非表示/違反報告)
ぽむ(プロフ) - ｱｯ…(コメント失礼します。今作も好きすぎます、めっちゃ尊いです。鶴妃って…なにそれ好き…(2回目)。無理せず、更新頑張ってください！) (2021年1月31日 23時) (レス) id: 277b16b527 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうり
| 作成日時：2021年1月31日 23時
