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『…ゾム。ゾムには監視でもついてるのか？それとも私が居るから？やけに見られて居る気がする』
僅かに眉を顰めたAが、そう言ってゾムのパーカーの裾を引っ張った。
zm「お前…よう気付いたな」
『こんなあからさまな尾行、気付かない方が可笑しい。ゾムは尾けられてていいの？』
zm「尾行やないって」
首を傾げたAに、ゾムはちょいちょいと後ろを指し示した。
zm「幹部の奴らや。三人居るな」
『…そんなに私が信用ならない、と』
zm「いや？俺が連れて着た奴なんやから、別に文句は無いやろ。単純にお前の事が気になるだけちゃう？」
『その様な好意的な視線では無さそうだけどね』
まあ、そんな物には慣れて居るし構わないのだけど。そう言って欠伸を噛み殺すAを見て、緊張してないなら別にええわ、とゾムはそれ以上のフォローはせず城内を誘導して行く。
zm「ここや」
『…随分とご立派な扉だね』
zm「おお？？皮肉か？」
『いいや、ただの感想。あんなボロ宮に居たら、誰だってそう思う』
総統室の大きな扉を前にして仁王立ちするAの背中をそっと押す。
zm「お前、グルッペンを見た事はあるん？」
そう言えばと尋ねたゾムを振り返り、Aは肩を竦めた。
『真逆。こんな遠い場所は、普段の私の領域では無いからね』
その割に落ち着いてんな、コイツ。ゾムは感嘆しながら扉をノックする。
zm「グルッペーン、入るで」
gr「ああ、良いぞ」
地からごうっと強く吹き付ける風の様な、バリトンの声。動きを止めたAに、流石にビビったかとゾムは目を向けたが、相変わらず表情筋は機能していないらしく、さして変化は無かった。
zm「ちぃっすゾムです帰りました！」
tn「声でお前なんは解っとるんやから、いちいち自己紹介せんくてええねん」
机に肘をついて此方を見るグルッペンの姿。その横に立つトントンからは、ぴしゃりと冷徹なツッコミが返ってくる。ゾムは「へーへー」と適当に返事をしてAを前に押し出した。
tn「その子が例の鶴妃様か？」
ついと見下ろされたAは、無表情なままにペコリと軽く頭を下げる。
『合って居る、私が鶴妃だ。此度は帥等の仲間が憑かれているらしいと聞いたが』
仕草は優雅で礼儀正しいものの、姫とは思えぬ身なりに不遜な物言い。明らかにイラッときた様子のトントンが口を開きかけたのを制し、グルッペンがニヤリとした。
gr「診てもらえるんだろう？」
『当たり前』
直後、珠玉の瞳と夜闇の色が交差した。
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燐(プロフ) - もしかして烏妃さんがモデルですか?お話とても面白かったです！ (2021年2月4日 0時) (
レス) id: aa80ce7edc (このIDを非表示/違反報告)
犬キナ - あっチッス！犬きなこのべつあかっす！誤召喚お気に入りしてた、、、今回も神作品っすね！更新頑張ってください！ (2021年2月3日 23時) (レス) id: 48a9631c32 (このIDを非表示/違反報告)
唐揚げ(プロフ) - 烏妃パロ？ (2021年2月3日 19時) (レス) id: 6975836a4f (このIDを非表示/違反報告)
なコ - ………あ、あぁ←。最高っすね！なんでこれまた神作品というものが出来んのか…(？？)設定が…もう、好き。更新頑張って下さいッす！ (2021年2月1日 16時) (レス) id: 5cc4ee344d (このIDを非表示/違反報告)
ぽむ(プロフ) - ｱｯ…(コメント失礼します。今作も好きすぎます、めっちゃ尊いです。鶴妃って…なにそれ好き…(2回目)。無理せず、更新頑張ってください！) (2021年1月31日 23時) (レス) id: 277b16b527 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうり
| 作成日時：2021年1月31日 23時
