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『…分かったよ、ゾム。呼べば良いんだr…でしょう』
素っ気無くAはそう言い、ふいと前を向く。ゾムは嬉しそうに笑みを浮かべてAの横に並んだ。
zm「お前、素になっても平民みたいな話し方すんねんな。何か変やわ」
可笑しそうに言うゾムを、Aはついっと仰ぎ見る。
『そう？』
zm「おん。良家のお嬢様なら、普通もっと淑やかに喋るやろ？」
『私が淑やかでないと言いたい訳か。まあ認めるよ』
堅苦しくて、黒い裏の在る笑顔に囲まれる祖国での宮廷暮らしに、あまり良い思い出は無いからね。Aばボソリとそう呟いた。
zm「なあA」
『何さ』
zm「…シッマ、助けれるん？」
……あぁ、仕事の話か。Aは合点して、不安そうに揺れる翡翠の瞳を見つめる。
『実際に目にしないと解らない。そもそも怨霊の所業じゃなく、本人の意思である可能性も捨てきれない……あ、勘違いするなよ、其奴を悪く言っているんじゃない。あくまで考え得る場合の話だ』
また胸倉を掴まれては敵わないからね。Aがそう言って肩を竦めると、ゾムはばつが悪そうに口を尖らせた。
zm「お前が嫌味な語りがデフォなんやって事は解ったからもうええわ。俺やっていちいち反応しとったら、シッマんとこ着く前に日が暮れるやろ」
『……そうか、気を付ける様にはするよ。また帥…ゾムのせいで服の前がはだけたら冗談じゃ無いしね』
zm「んなっ！？ワンピースちゃうんかそれ！！」
『わんぴーすなら掴んで揺さぶって良いの？』
zm「そういう意味ちゃうわ！！」
俺も大概コイツとまともに会話してへんけど、Aやって受け答え可笑しいやろ。ゾムはそう思いながらちらりとAの胸元に目を遣った。
『ん、何だ』
zm「へっ！？いや、何も…」
羽織のせいで見えにくかったが、確かに黒の中に着込んで居る白い膝丈の服は、上半身部分は着物の合わせ襟の様になっていた。……何やこの服、変な作りやな。
zm「グルッペンには連絡通してあんねんけど、一応仕事行く前に幹部に挨拶してってな？」
『…あ、うん。信頼が全ての職務だからな、責任者にはお目通り願いたいよ』
zm「任しとけお前」
高く昇った太陽に目をそばめつつ、ゾムとAは城へと一直線に足を進めて行く。Aが何か気配を感じ取って立ち止まりかけた時、ゾムがAの名前を呼ぶ。
zm「Aー？こっちやで、入口」
『……分かった』
案内をするゾムの背中を追いながら、Aはそっと周りの音に聞き耳を立てて居た。
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燐(プロフ) - もしかして烏妃さんがモデルですか?お話とても面白かったです！ (2021年2月4日 0時) (
レス) id: aa80ce7edc (このIDを非表示/違反報告)
犬キナ - あっチッス！犬きなこのべつあかっす！誤召喚お気に入りしてた、、、今回も神作品っすね！更新頑張ってください！ (2021年2月3日 23時) (レス) id: 48a9631c32 (このIDを非表示/違反報告)
唐揚げ(プロフ) - 烏妃パロ？ (2021年2月3日 19時) (レス) id: 6975836a4f (このIDを非表示/違反報告)
なコ - ………あ、あぁ←。最高っすね！なんでこれまた神作品というものが出来んのか…(？？)設定が…もう、好き。更新頑張って下さいッす！ (2021年2月1日 16時) (レス) id: 5cc4ee344d (このIDを非表示/違反報告)
ぽむ(プロフ) - ｱｯ…(コメント失礼します。今作も好きすぎます、めっちゃ尊いです。鶴妃って…なにそれ好き…(2回目)。無理せず、更新頑張ってください！) (2021年1月31日 23時) (レス) id: 277b16b527 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうり
| 作成日時：2021年1月31日 23時
