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『しかしまあ、街中での殺人が問題とはな……とはねぇ』
白の短いワンピースのような服に、黒に赤ラインの入った羽織を赤い帯で締め、黒い短パンをはいたAが、不思議そうに呟く。
zm「いや普通に犯罪やろ」
『うーん…まあ当然、立場が同じだったり自分の方が目下であれば捕縛されるし、斬首に処される重罪だが…だけど』
zm「何や？その、まるで上に立つ者なら許させるみたいな言い方」
首を傾げて訊いたゾムに、Aは真顔のまま答えた。
『？実際、許される。私の祖国では、そういう文化が有った。兄さんは、元々許されている側の…身分の高いと言うか、力の有る武士の一族だから』
zm「どういう事や？」
情報が錯乱して頭を抱えるゾムに、説明を付け足す。
『"無礼を働く者在れば、即ち己が手を以て処するべし"……失礼な奴が居たらその場で殺せ、と言う何とも物騒な風習だよ』
兄さんは優しいから、それが嫌いだった。だから国を出て行ったんじゃないか、とAは言う。
『斬捨て御免、とか呼ばれていたんじゃ無かったかな。実力主義の社会では、有力な武士は偉いから何をしても良い、みたいな考え方が通ってたんだよ』
zm「うわ…だからって人を殺しても良いにはならんやろ？怖いわぁ…」
『帥等だって似た様なものだr…でしょ？』
zm「……は？」
一瞬にして笑みを消しAの胸倉を掴むゾム。Aは驚く素振りも見せずに淡々と言った。
『帥等を貶している訳じゃ無い。人間は何処も同じだなと思っただけ。私の祖国は、島国だ。大陸内の争い事などとは縁が無いが、一部の傲慢ちきなお偉いさんのせいで、民衆が命を落とす。帥等の場合は、戦争により罪無き人々が死ぬと言う事だ』
zm「あ……それは、そうやな。す、すまんかった掴みかかったりして」
『いや、今のは私の言い方が悪かった。ごめんね』
パッとゾムが手を離すと、Aはふと遠くを見て小さく零した。
『…変わらないな、人間と言うのは。矮小で、愚かだ。……私も含めて』
ゾムはトン、と胸を突かれた気持ちになったが、聞こえなかったフリをしてAの背中をそっと叩いた。
zm「お前、二人称何とかならんの？そちって言われるとめっちゃ距離感じるねんけど」
『だって、距離有るだろう。今さっき衝突したばかりだし』
zm「ゾムって呼んでや！」
『……話聞いてたか？』
明るく振る舞ってる様に見えて、何処か虎視眈々と観察されている気がする。考えの読めないゾムを見て、Aは溜め息をついた。
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燐(プロフ) - もしかして烏妃さんがモデルですか?お話とても面白かったです！ (2021年2月4日 0時) (
レス) id: aa80ce7edc (このIDを非表示/違反報告)
犬キナ - あっチッス！犬きなこのべつあかっす！誤召喚お気に入りしてた、、、今回も神作品っすね！更新頑張ってください！ (2021年2月3日 23時) (レス) id: 48a9631c32 (このIDを非表示/違反報告)
唐揚げ(プロフ) - 烏妃パロ？ (2021年2月3日 19時) (レス) id: 6975836a4f (このIDを非表示/違反報告)
なコ - ………あ、あぁ←。最高っすね！なんでこれまた神作品というものが出来んのか…(？？)設定が…もう、好き。更新頑張って下さいッす！ (2021年2月1日 16時) (レス) id: 5cc4ee344d (このIDを非表示/違反報告)
ぽむ(プロフ) - ｱｯ…(コメント失礼します。今作も好きすぎます、めっちゃ尊いです。鶴妃って…なにそれ好き…(2回目)。無理せず、更新頑張ってください！) (2021年1月31日 23時) (レス) id: 277b16b527 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうり
| 作成日時：2021年1月31日 23時
