12 ページ14
zm「…ほんまか！？」
『？…あ、うん。本業だから』
ゾムの勢いに気圧されて頷くと、Aは
『少し待って居て』
と告げて一度宮の奥に引っ込んだ。ゾムが不思議そうに首を傾げて座って居ると、Aは軽装になって戻って来た。腰には勿論、打刀を提げて。
zm「お前…何やその格好は」
驚くゾムに、Aは事も無げに言う。
『出歩く時は、何時もこの服。袴では動きづらいから。あんな裾の長い衣服なんぞ着て居ったら、倒せる敵も倒せない』
zm「…お前ほんまに皇族出身なん？」
『生まれは
zm「よう剣握るの許されたな」
ゾムの言葉に、Aは暫し考える様な仕草をした後ふいとそっぽを向いた。
『許されるものか。怒られても私が懲りぬ物だから、父母や兄姉はとっくに呆れ果てて居たとも』
普通、剣術などは公主の嗜む物では無い。平民ならいざ知れず、高貴な身柄の姫君が好んで行う事では無かった。きっとAは、祖国であまり良い顔はされなかったのだろう。
zm「……そか」
短く答えて俯いたゾムに、Aは
『別に気にしては居ない』
とだけ言って、さっさと鶴宮の外に出て行く。
『訪ねるならば早い内が良い。案内して欲しい』
zm「お、おん」
ゾムが横に並んだのを確認し、Aは菊に『兄さんには仕事が出来たと伝えておいて』と言い置いて階段を下った。
zm「ちなみにここからばり遠いで」
『……地理くらいは把握して居る』
馬鹿にするなとでも言いたげなAに向かって、ゾムは思い出したとばかりにポンと手を打つ。
zm「せや！」
『何だ』
zm「その話し方やと違和感あんねん。普通に喋れるんやろ？そうしてや」
『却下』
zm「えー、何でや」
子供の横に駄々を捏ねるゾムにほとほと困ったAは、溜め息をつきながら尋ねる。
『…それ、私にどんな利点が有る？』
zm「じゃあ俺の事名前で呼んでや」
『帥はまともな会話が出来ぬのか？』
zm「ほら口調！！そんなんやと街中で浮くで？」
『構わぬ。何故帥の為に話し方を変える必要が有る』
zm「…どーしてもあかん？」
キッパリと断り続けるAを覗き込み、ゾムは眉尻を下げて言った。
『……わ、わかった。わかったからそんな顔をするでな…するな！』
これにはAが先に折れた。しょんぼりされては仕方が無い、諦めよう。
zm「！…んふふ、ほら行くでA！！」
『…解ったよ』
はぁ、と首を振るA。こいつと話すと、妙に調子が狂うから嫌なのだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 321人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
燐(プロフ) - もしかして烏妃さんがモデルですか?お話とても面白かったです！ (2021年2月4日 0時) (
レス) id: aa80ce7edc (このIDを非表示/違反報告)
犬キナ - あっチッス！犬きなこのべつあかっす！誤召喚お気に入りしてた、、、今回も神作品っすね！更新頑張ってください！ (2021年2月3日 23時) (レス) id: 48a9631c32 (このIDを非表示/違反報告)
唐揚げ(プロフ) - 烏妃パロ？ (2021年2月3日 19時) (レス) id: 6975836a4f (このIDを非表示/違反報告)
なコ - ………あ、あぁ←。最高っすね！なんでこれまた神作品というものが出来んのか…(？？)設定が…もう、好き。更新頑張って下さいッす！ (2021年2月1日 16時) (レス) id: 5cc4ee344d (このIDを非表示/違反報告)
ぽむ(プロフ) - ｱｯ…(コメント失礼します。今作も好きすぎます、めっちゃ尊いです。鶴妃って…なにそれ好き…(2回目)。無理せず、更新頑張ってください！) (2021年1月31日 23時) (レス) id: 277b16b527 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆうり
| 作成日時：2021年1月31日 23時
