その15 ページ16
「お、おにい……？」
『何でお前が驚くんだよ』
急にオドオドし始めたゾムを小突くと、ゾムは「や、だって…」と小声になる。
「俺、今日来たばっかやし」
『でも、年上だろ？』
あっけらかんと言うも、ゾムはまだ不安そうに私の後ろに隠れようとする。体格的に無理だっつーの。
『こいつらは私達の一学年下だよ。ノッポの方がチーノ、たった今FPS始めたのがショッピ』
生意気だけど時々可愛いうちの末っ子達だ。そう紹介すると、チーノは不満げに口を尖らせた。
「えぇー、いっつも可愛いでしょ？」
『初対面なのに茶だと偽って麺つゆ出す様な奴はいつも可愛いとは言わねぇよ』
「何でコネシマさんの事なのにお嬢が根に持ってるんですかぁ」
めそめそと泣き真似を始めたチーノに『鬱に似てきたな』と言えば、心外だと言う様に顔を顰める。普段は主に金銭関係で集る癖に、調子の良い奴だ。まあ、世渡り上手な所は嫌いじゃ無いが。
『ショッピ、間違ってもゾムに喧嘩は売るなよ？』
「………売りませんよそんなの」
『怪しい間が在ったな』
ショッピが妙に不機嫌なのは、私がゾムの手を握りっぱなしだからだろう。素直で無いから解りづらいが、ショッピは実はかなり甘えたい子なのだ。いつもなら帰宅するなり私が出迎えるのに、今日は知らない男を連れて遅くの登場だったから気に食わない、とか大方その辺だろうな。
『……ふははっ、ウチの弟は可愛いな』
「わっ…何するんすかお嬢」
わしゃわしゃと乱雑にショッピの頭を撫でれば、ぷいとそっぽを向かれてしまう。耳が赤いのを隠し切れていない辺り、まだまだお子ちゃまだなと思った。
『ゾム、自分でも何か言えよ？同じ空間で寝るんだから』
「…お、おん」
『あぁそうだ…さっき気付いたかは知らないけど、あの三人に倣って本名は名乗らなくても良いから』
「解った」
ぎこちなく頷いたゾムは、そうっと年下二人を窺う様に見上げながら言う。
「と……ゾムです。A…あ、えと…お、お嬢サンと同じクラスに…転入して来ました」
「ゾムさん、宜しくお願いしますね！」
「よ、宜しく」
愛想良く握手したチーノに軽く頭を下げてから、ゾムはショッピをチラッと見、腹を決めた様にパッと顔を上げた。
「俺もFPS…好きで、やるんやけど……その、もし良ければ…い、一緒に回らん？」
相当な勇気がいったのだろう。緊張で小さく震える手が見える。ゾムの言葉に、くるりとショッピが振り向いた。
「いっすよ。今からでもやります？」
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ミックスベリー - 完結おめでとうございます！最高でしたぁぁぁ！！ (2021年9月25日 19時) (
レス) @page49 id: ff705752ad (このIDを非表示/違反報告)
千寿(プロフ) - 完結おめでとうございます〜！！前作も毎日更新を待ってるくらい好きだったんですが、今作もめちゃくちゃに幸せで最高でした！！！！幸せになれ〜という気持ちでいっぱいです！！！ありがとうございます！！ (2021年9月25日 13時) (レス) @page49 id: d8421960c5 (このIDを非表示/違反報告)
ミックスベリー - 神作品をありがとうございます。いつも拝見されていただき、ニヤついております。 応援しております！ (2021年9月15日 21時) (レス) id: ff705752ad (このIDを非表示/違反報告)
オタクのオクタ - あっ結婚してください (2021年9月2日 5時) (レス) id: 748c39705b (このIDを非表示/違反報告)
はぁな。 - うわぁぁぁぁぁぁぁ何これ無理！神作品すぎません！？…すみませんお騒がせしました。無理しない程度に更新頑張って下さい！ (2021年8月22日 8時) (レス) id: cdc92f829b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうり
| 作成日時：2021年8月20日 20時
