その14 ページ15
『ここ、布団はこっちに入ってるから。そっちの青っぽい花が描いてある方な。青いヤツならどれ使っても良いから。赤いのは私のだからダメだけど』
んで、風呂はあっち。だだっ広い家の間取りをあちこち指し示しながら説明していると、ゾムが「ま、待ってや」と私のカーディガンの裾を掴んだ。
『ん？』
「ま、まさか寝る部屋って…俺……」
『あぁうん、私と一緒』
え、と見る見る真っ青になったゾムは、「む、無理やねんけど」と呟く。その様子が可笑しくて、私はつい吹き出してしまった。
『っふふ、あっははは！嫌だなぁ、そのままな訳無ぇだろ？それこそ親父がブチギレるわ。この部屋広いから、間に仕切りが在るんだよ。普段はそれで部屋分けて寝てるんだ』
「あ……て事は、他にも居る…ん？」
『ご名答。本当は同級生らと一緒の部屋の方が良かっただろうけど、生憎お兄ちゃん達を含めたらで定員オーバーでさ。悪いんだけど、後輩達と相部屋してくれ』
「…わ、解った」
ゾムはパッと手で顔を覆うと、「早とちりやん…恥ずかし」と言う。ま、あれは私の言い方も誤解を生む要因だっただろうし仕方無ぇよな。私のせいでもあるから。
『そろそろあいつらも帰って来てる頃と思うぞ。さっき玄関開いた音がしたしな。会いに行くか？』
「う、うん。顔は合わせておきたい」
『だよな。多分居間でダラダラしてる筈だし、挨拶するか』
然り気無くゾムの手を取って廊下を歩き出せば、ゾムは驚いた様な顔をしてから恥ずかしそうに口を噤む。……案外ウブで可愛いじゃん。そんな事を思って一人で笑い、畳の縁を踏まないように気を付けながら客間を突っ切る。居間へ入れば、座椅子にだらし無く腰掛けて音ゲーをしているショッピとそれを眺めているチーノが居た。
「あ、お嬢！ただいま〜」
『お帰りチーノ。良い子にしてたか？』
「勿論ですよ。僕、今日は全部の授業起きてましたもん。褒めて下さい！」
『それをいつも出来たらもっと良いな。……ま、ちゃんと学校行くようになっただけ偉いか』
膝立ちになったチーノのふわふわな頭を片手で撫で、チラリとショッピの方を見る。お前は何か無いのか、と視線で訊くと、ショッピはそれには答えず私の後ろに目を遣った。
「……どちら様すか」
『はーい、威嚇しなーい』
「あびゃっ！？」
気怠そうなジト目でゾムを睨んだショッピにデコピンし、萎縮したゾムの肩に優しく手を置いた。
『紹介するよ、こいつはゾム。今日からお前らの“お兄ちゃん”だ』
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ミックスベリー - 完結おめでとうございます！最高でしたぁぁぁ！！ (2021年9月25日 19時) (
レス) @page49 id: ff705752ad (このIDを非表示/違反報告)
千寿(プロフ) - 完結おめでとうございます〜！！前作も毎日更新を待ってるくらい好きだったんですが、今作もめちゃくちゃに幸せで最高でした！！！！幸せになれ〜という気持ちでいっぱいです！！！ありがとうございます！！ (2021年9月25日 13時) (レス) @page49 id: d8421960c5 (このIDを非表示/違反報告)
ミックスベリー - 神作品をありがとうございます。いつも拝見されていただき、ニヤついております。 応援しております！ (2021年9月15日 21時) (レス) id: ff705752ad (このIDを非表示/違反報告)
オタクのオクタ - あっ結婚してください (2021年9月2日 5時) (レス) id: 748c39705b (このIDを非表示/違反報告)
はぁな。 - うわぁぁぁぁぁぁぁ何これ無理！神作品すぎません！？…すみませんお騒がせしました。無理しない程度に更新頑張って下さい！ (2021年8月22日 8時) (レス) id: cdc92f829b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうり
| 作成日時：2021年8月20日 20時
