１６ 可愛い人 ページ18
『ほんっと、セコいなぁ！こんなのほとんどリンチだよ』
ポコン、ペキン。間の抜けたプラスチックカバーの音が鈍く昼間の空に吸い込まれる。
sha「そのリンチに耐え続ける化け物令嬢はいったいどこの誰なんやろな」
『ちょっとなに言ってるかわかんない』
zm「なんで話す余裕あんのや」
嘘から出た真とでも言うのか、私は剣を持ったことすらない時に「ロボロの騎士になる」宣言をしたわけだが、どうやら自分でも思っている以上に剣が得意なようだった。
『そりゃ、これでも騎士になるのが夢だから』
zm「へーへー、頼もしい級友になりそうなこって」
ゾムの言葉にニヤリと笑う。そう、来年、私たちはジェンマ・ディ・ローザ学園に入学する予定なのだ。
『任しといてよね』
すかさずロボロが実況を入れる。
rbr「おぉっとー、A選手ここでまさかの自信に満ちた言葉を発した！取り囲むゾム選手、シャオロン選手、ショッピ選手の剣は止まることを知りません！！」
楽しそうだな、ロボロ。ローザ学園は王立の貴族学校で、国家に貢献する優秀な人材の輩出をスローガンに掲げる、近衛兵や文官を養育するための場所。まぁ貴族学校と言っても名ばかりで、通うのは主に中下級貴族の子ども。少し裕福な商人の子どもなどでも、特段条件も無しに入ることが出来る。金さえあれば、だが。
syp「はぁ…俺も同級生やったら良かったのに……」
sha「それは俺らも残念やと思っとんのやから言ったらあかん」
無駄に高いと有名なローザ学園の学費は、地方の平民の支援に充てられる。子どもを入学させることが寄付にもなるというわけだ。なんか不思議だけど、いい仕組みだとは思う。
『ねぇ、いつまで私はリンチされてればいいの？』
zm「剣を落とすまで」
『君らそんな私におやつの準備させたいのか？』
誰がやっても変わんないと思うんだけど。呆れていると、ふと愉快そうに笑うロボロが視界に入った。私と目が合うと、ロボロは自分の手首に着けたタッセルの飾りを指差してへにゃりと笑った。そして、
rbr「お・そ・ろ・い」
と口パクで嬉しそうに言った。
『可愛い…』
あまりのあざとさにきゅんとして、一瞬手を止めたのが良くなかった。
sha「もらいっ！」
『ちょっ…』
パキョン、と鳴るアホっぽい音。私の剣は綺麗に広場の芝生に着地した。
syp「よっし」
zm「満足したわ」
『ちぇー…』
渋々剣を拾ってテラスに向かい、ロボロの隣に座った。全く、無自覚な可愛さは時として罪だ。
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しぇけなべいべ(プロフ) - かわいいかわいいかわいい撃ち抜かれた心帰ってこない.... (2020年12月5日 12時) (
レス) id: a746dec877 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうり(プロフ) - ぺぴさん» ありがとうございます！頑張りますね！！ (2020年11月13日 19時) (レス) id: 5789c02b18 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうり(プロフ) - 紫苑さん» ありがとうございます(人´∀`)♪あたたかいお言葉がとても嬉しいです！ (2020年11月13日 19時) (レス) id: 5789c02b18 (このIDを非表示/違反報告)
ぺぴ(プロフ) - めっちゃくちゃ面白いです！！関連ランキングから見つけたんですけど、本当に好きで今めちゃくちゃ見返してます笑更新頑張ってくださいっ！ (2020年11月13日 16時) (レス) id: 8a41c6f408 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - 推しの幼い描写が最高です。今後の2人の関係がとても気になる、微笑ましい作品です。これからも応援してます。 (2020年11月13日 5時) (レス) id: 75ef52599e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうり
| 作成日時：2020年11月11日 21時
