02 ページ2
▼.(tn side)
「はぁ...もうあいつどこおんねん」
ロボロに監視カメラ、インカムのGPSを確認してもらったが居場所は分からず、非番の兵士と幹部のエーミル、チーノ、シャオロンに捜索を頼んだ。
こういう時にゾムや大先生といった捜索が得意なやつらに仕事が入っているのは偶然なのか、意図的なのか。どちらにしろ幹部までを動かす羽目になっていることに変わりはない。そこまでしてもグルッペンが捕まえられない...。ほんまやめてくれませんかねぇ!
この窓からグルッペンでも見えないかなと思い、総統室の大きな窓から庭を見渡すが、掃除をするメイドたちしか見えなかった。
その光景に何度目かわからないため息をつく。多分俺の周りだけ二酸化炭素だらけ。
「これやと捕まりそうにないな...最悪のパターンを考えとくか...」
淡い期待を持つのはやめて、ありえる可能性を考えることにし、グルさんの引き出しを開けた。
あり得る可能性...グルさんが今日帰ってこないこと。そうなった場合に、今日中に提出の書類の総統印は俺が押すしかない。
まぁ、今のところ戦争が起こりえるようなものはないし、交通許可や貿易に関するもので会議で賛否は決定している。ただそこにハンコを押すだけなのでまぁセーフやろ。知らんけど。
グルさんも勝手にハンコ取ってっていいぞ☆とかいう腹立つ置手紙しとることやし...。人の引き出しを開けるなんて少し罪悪感があるが仕方ないので開けさせてもらった。
「ハンコ...ハンコ...これやな。...ん?なんやこれ小切手の領収書?...は!?ゼロの数おかしいやろ!!」
グルッペンの引き出しには、簡易な便せんや書類、ペン、ハンコの他に、スイーツ店のチラシと大先生のポエム集と書いたノートなどがあった。
ハンコは奥に追いやられ、変なものが手前を占拠しているってどういうことですかねぇ...。そう思いながら奥のハンコを取り出そうとすると、近くに0の数がバグっている領収書を見つけた。え。グルさん戦争以外でこんな金使わんやろ...あまりに高額なその数に、一瞬頭が真っ白になる。えいったい何をしたんだこいつ...。
フリーズした俺を現実に引き戻したのは、鼓膜破壊で定評のあるコネシマの声だった。昨夜は深夜まで仕事で爆睡だろうと思っていたが、珍しくこの騒ぎに起きたらしい。
「お!トントンまたグルッペン逃げたんか!」
「あぁ...おん!すまんな起こしたか」
俺はシッマに見つからないようにとっさに領収書を隠した。
305人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆりあ(プロフ) - akariさん» コメントありがとうございます!そ、そんなに褒めてもなにも出ないですよ笑 更新頑張ります (2020年11月2日 17時) (レス) id: 029daaf82d (このIDを非表示/違反報告)
akari(プロフ) - めっちゃ面白かったです!足ベキで表現力が凄すぎて思わず「お゛っ…ひぇぇ」って声出たましw続き読んできます! (2020年10月17日 1時) (レス) id: b33ff88052 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - ペンギンさん» コメントありがとうございます!面白いと言って頂けて嬉しいです!まだまだ続きますので少々お待ちを! (2020年7月19日 9時) (レス) id: 029daaf82d (このIDを非表示/違反報告)
ペンギン - 面白いです。続き待ってます。 (2020年7月16日 22時) (レス) id: 5f842aeb4f (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - 黒胡椒さん» コメントありがとうございます!面白いその一言だけでもエネルギーになります!頑張ります! (2020年3月11日 16時) (レス) id: 029daaf82d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆりあ | 作成日時:2020年3月8日 22時