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店主に案内された先は、薄暗く青と黒で揃えられた装飾品がある部屋だった。
その中央の椅子に腰を掛けていたのはこれまた青と黒の布を全身にまとい、顔さえもフードとフェイスベールに覆われ見えないAと思わしき人。
表情は見えないが、敵意はなさそうな声でどうぞこちらにと、向かいの席へ座るように促される。
「し、失礼します...」
『ご来店ありがとうございます...さて本日はどうされますか』
そう言ってテーブルに並べられた、トランプや本、水晶玉を指す。
これは...占いか?えっ...グルさんこんなもの信じる人や無さそうやったんに...占いにドはまりして仕事ほったらかしとったんか！？
『どうされました？どの占いを...初めての方だとタロットとか人気ですけど』
なかなか答えない俺に困惑したように声をかけるA...らしき人。
そうや、俺はグルッペンのさぼっとる理由を突き止めにきたんや。そのためにもキーポイントとなるAっていうやつに合う必要がある。
「あんたは...Aっていう人ですか？申し訳ないですけど今日俺は占いしに来たわけじゃないんです」
『...占いではないと...となると失礼ですが、あなたの名前...そして身分を証明できるものはございますか。それらを答えていただかない限りお引き取り願います』
「...トントンです。W国書記長...証明できるものは階級章」
『...あなたがW国の書記長トントン様である証拠はと言ったら？』
「それは...」
見えない目元から、鋭い視線が刺さる気がした。まるで雑貨屋の店主の様な...。
どうやら俺が本物か疑っているようだ...確かに、俺が本物のふりをしている奴だと思われても仕方がない。証明できるものなんてない...。
しんとした部屋に最初に口を開けたのはあちらだった。
『...では、“あなた”はどなたの紹介でこちらに？』
「紹介...ってわけやないんですけど、うちの総統..グルッペン・フューラー」
『グルッペン様...そうですか承知しました。お手数ですが奥の部屋に“トントン様”』
本人だと証明できない時点で追い出されると思っていたが、グルさんの名を出したとたんにあっさりと了解してくれた。これはつまりこの人にとってグルさんは信用できる人物ということだろうか。
悶々としながらこの人についていくと、カーテンに隠れた厳重そうな扉が姿を現す。
いや厳重すぎひんか...。
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ゆりあ(プロフ) - akariさん» コメントありがとうございます！そ、そんなに褒めてもなにも出ないですよ笑 更新頑張ります (2020年11月2日 17時) (
レス) id: 029daaf82d (このIDを非表示/違反報告)
akari(プロフ) - めっちゃ面白かったです！足ベキで表現力が凄すぎて思わず「お゛っ…ひぇぇ」って声出たましw続き読んできます！ (2020年10月17日 1時) (レス) id: b33ff88052 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - ペンギンさん» コメントありがとうございます！面白いと言って頂けて嬉しいです！まだまだ続きますので少々お待ちを！ (2020年7月19日 9時) (レス) id: 029daaf82d (このIDを非表示/違反報告)
ペンギン - 面白いです。続き待ってます。 (2020年7月16日 22時) (レス) id: 5f842aeb4f (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - 黒胡椒さん» コメントありがとうございます！面白いその一言だけでもエネルギーになります！頑張ります！ (2020年3月11日 16時) (レス) id: 029daaf82d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆりあ | 作成日時：2020年3月8日 22時
