03/好き、でもそれ以上に ページ4
*
「……おはよう」
「…まだ寝る」
「じゃあ先に行ってるね」
吸血鬼との生活は、思ったよりも遥かに大変だ。
朝は昼まで寝ているし、昼に抜け殻のように授業を受けて。
――代わって夜は元気。超元気
華奢な身体で、全力でハグして、全力でキスして。
冷たい体温を暖めるように背中を擦れば「それなら抱き合った方が早いじゃん」って首に腕を絡ませる。
『家に電話かけるから、ちゃんと出なきゃダメだよ』
『うん』
最後にそう確認して、家を出た。
明るい陽。総悟が一番嫌ってる、太陽の光。
歩くと、じとりと湿っぽい汗に体が蒸れる。
車がガスを吐きながら車道を走って、
おじいちゃんはリードを付けた元気な犬に引きずられるようにお散歩。
総悟はこの時間に外に出るには日傘が必須で、変な目で見られてイヤだったって
ふてくされてたっけ
*
今日受ける授業が全て終了し、大学の入り口の前で総悟を待つ。
数分遅れて、ふらふらとやってきた彼は、少し遠くで教授に捕まったらしく
いつもよりずっと弱い力で私を抱きしめてきた。
「――…あつい……ぢかれだ……」
「よしよし、ここまでよく来た」
日影を縫うように電機屋へ向かって、蛍光灯と安くなってた扇風機を一つ購入。
そのころには少しずつ、空は暗くなり
「扇風機なんていらなかったんじゃねーの」
「…元気になってきた?」
「そんなんじゃない」
「ふふ、そうだね」
二人で手を繋ぎ、路線変更で、今日は家で二人で夕食を取った。
*
就寝前、今日は特別な会話をした。
「Aは、子供欲しい?」
「―――…総悟と一緒にいるだけで良いかな、
今はそれ以上の幸せは、逆に怖くなっちゃうもん」
「……」
「総悟を好きになってから、色々自分の中で考えたから
総悟も私を頼って。
またいつか、結婚してから考えよう」
*
静かに、音もなく背中に触れたその低い体温に、掌を重ねた
*
04/守る覚悟、守られる覚悟→←02/慨して恋とは不可解なもので
24人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
(名前)ひろ(プロフ) - 初コメすいません、すごく良かったです。感動しました (2015年3月3日 0時) (レス) id: 8f59e74d07 (このIDを非表示/違反報告)
マユウ - はちかさん» 吸血鬼、意外でした!考えますねー(*‘∀‘) ひ、貧血、起こさないでくださいね!? これからも楽しみにしてます(#^.^#) (2014年3月31日 18時) (レス) id: e9332ea892 (このIDを非表示/違反報告)
ふうか(プロフ) - はちかさん» 続編見させていただきました!私は沖田さんが好きなんで、一話目からテンション上がりました\(//∇//)\メール保存って...可愛いですね!\(//∇//)\ (2014年3月30日 22時) (レス) id: 49002a46d4 (このIDを非表示/違反報告)
はちか(プロフ) - マユウさん» 作りました!!いらっしゃいませマユウさん!!!いつもいつもペースがのろのろで申し訳ないですが、短くなりそうなので本腰を入れて更新していきます!!!!総悟吸血鬼だなんて美味しすぎますよね!!ワアアアア吸われる前に貧血起こしそうですけど><////!!!! (2014年3月30日 21時) (レス) id: f9886030ad (このIDを非表示/違反報告)
はちか(プロフ) - ふうかさん» 短編集ですね!!ギャンありがとうございますー!!続編できているので覗いてみて下さいー!!応援だなんてそんな!!!嬉しいです!!! (2014年3月30日 21時) (レス) id: f9886030ad (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:はちか | 作成日時:2014年3月29日 10時