ホットミルク。（ar ×in） (ページ17)

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16杯目ページ17

有「ただいまー」

2人とお別れして家へと戻るとまだ誰も帰ってきてない

え、なんで？

頭をひたすらに働かせていると

あることが頭に浮かんだ

あ、そーいや

「明日から1週間夫婦旅行に行ってきてもいい？」

ってこの間聞かれたな

ま、俺は学校あるし

一人でいた方がテレビ見放題だから楽しいかな、

と思っていいよって言ったんだよね

机の上には『行ってきます！』と書かれた置き手紙

今日の夜からだったとは、

晩飯どうしよっかな、

なんて考えてると

いきなりインターフォンが鳴った

有「はーい」

扉を開けるとそこにはさっきまで会ってた伊野ちゃん

俺だとわかった瞬間一気に抱きしめられた

有「え？伊野ちゃん？」

伊「ごめん大ちゃん、もう少しこのままでいさせて？」

抱き締めている伊野ちゃんの手は

かすかに震えていて

息も荒かった

こんな弱ってる伊野ちゃん、初めて

有「一旦家の中入りなよ」

伊「んーん、もう、大丈夫

ほんと、ごめん」

有「伊野ちゃんがそんな顔してると

俺心配で寝れなくなっちゃうから

俺の部屋きて？」

そう言うとこくりと頷き

ゆっくり家の中へと入ってきた

伊野ちゃんはフラフラしてて

階段を上る姿も怖くてヒヤヒヤした

部屋へとはいると

伊野ちゃんは目に大粒の涙を貯め

またも俺を抱きしめる

すごく、力強く

有「伊野ちゃん、何か、あった？」

体が弱いということを思い出して

そっと伊野ちゃんのおでこを触れたら

すごく熱かった

有「伊野ちゃん、熱

俺のベッドに寝転んで」

伊「やだ」

やっぱ頑張りすぎちゃったからだよね、

俺のせいじゃん

そして、熱の出ている伊野ちゃんは

ちょっと甘えん坊になるらしい

可愛いけどね...

有「お願い？」

そう言うとゆっくりベッドに腰をかけた

有「寝転んで？」

伊「大ちゃんも...」

有「手、繋いでてあげるからさ？」

伊「いやだ、大ちゃんも一緒っ...」

そういう伊野ちゃんの目には

どんどん涙が溜まっていく

有「分かった、一緒に寝転ぶから泣かないで？」

そういいふたりでベッドに寝転ぶと

速攻抱きしめられた

俺、こっからどうしよっかな...