その63 ページ17
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A「じゃあ、俺ケーキ切ってくるから、
ちょっと待って...」
ソファから台所に向かおうと立ち上がった時
Aに着ていた服の裾を掴まれた。
A「待って...。
まだ...
私何も感謝の言葉言えてないよ。」
そう言うAはずっと下を向いていた。
「そっか...。
じゃあAのお話聞くね。」
そう言ってAの両手を両手で握って
ソファに座り直し、Aの方に体を向けた。
A「あのね。
凄く嬉しかった。
私ね、太輔と出会う前までは
誕生日があまり好きな日じゃなかったの。
何となく、大人になるのが怖かったから。
だけど太輔と出会って、
太輔に何度か誕生日を祝ってもらって
毎年太輔は最高の誕生日にしてくれる。
わがままだけどね、私誕生日楽しみになったんだ。
こんなに幸せな日、一年に一回きりなんてって
思ったりもするけど、
この日が来る度に太輔が一緒に居てくれる幸せと、
来年はどんな誕生日にしてくれるんだろうって
そんな楽しみを感じられるから。
きっと太輔じゃなかったら、
この気持ちを感じることは出来なかった。
太輔。
私と出会ってくれて、
私の事を好きになってくれて、
いつも一緒に居てくれて本当にありがとう。
これからもずっと一緒に居て欲しいです。
太輔、大好きです。」
俺はずっとずっと
Aが話している間ずっと
Aの目を見つめていた。
何度も何度も大粒の雫がAの頬を伝った。
だけどAは笑っていた。
俺はAを抱き締めた。
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作者名:*りんご* | 作成日時:2016年5月12日 20時