歌い手にいろいろしてほしいお話集 【歌い手】[短編集]

【志麻】行かせてほしい ページ18

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『一回でいいの！！！』

「だーめ！！」

『友達とだよ！！ １人じゃない！！』

「そういう問題ちゃうやろ！！！」

『ケチ』

「ケチでいいですぅー！！！！」





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部屋中に響き渡る私と志麻くんの声。






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『ちょっとご飯食べてくるだけ！！！』

「そーゆーんは絶対それだけじゃ終わらん」

『今までやってきたけど健全に終わってるって友達言ってた！！！！』

「Aがやったらどうなるかはまだ分からんやろ！！！ その子が今まで運よくおじさんの好みじゃなかったってだけかもしれんやん！！！」





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言い合いは終わる気配がない。それどころがどんどんヒートアップしていく。





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『そんなことあるわけないじゃん！！！』

「とにかくだめなものはだーーめっ！！！！」

『じゃあいいよ勝手に行くもんねぇーーーーっだ！！！！』





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なので、これ以上やってもなんも得しないと考えた私は、ベーっ！！ と大人げなく舌を出して試合放棄。



大きな音を立ててドアを閉め、部屋に閉じこもった。

数分後かすかにドアの閉まる音がしたから志麻くんも自分の部屋にいるんだろう。





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『許してくれたっていいじゃん……』





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視界が少しぼやける。


怒った彼はこの世の何よりも怖いから喧嘩なんて極力したくないんだけど、




今回だけは別。




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