第二話 『一度目の危機』 ページ2
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段々と、足音が近づいてくる。
それは熊(?)だった。そして、考える時間は与えないよと言わんばかりに襲ってきた。
考える時間くらいくれや。
最初の攻撃は運よく避けれたが、それでも熊は私を食べたそうな目をしている。
「っつぅ………」
熊の爪が腕に刺さった。そのまま私の体は宙に浮き、熊の顔の目の前まで持ってこられる。
熊が口を開けた。
きっと私を丸呑みする気だろう。
私は熊に食べられる寸前まで、恐怖は感じなかった。
このじ…エルフ生が無意味だったからか。
それでも、思ったんだ。
私は、こんなに早く死ぬのか……?
(主人公補正で何とかならないのか?)
バシュッ
え……………?
熊の頭が貫かれた。誰だ……?
そして熊が倒れると同時に、私の体が地面に落ちた。
腕に刺さっている熊の爪を抜いても、あまり痛みは感じなかった。
それどころか、傷口がどんどん再生していってる。
すごいなぁ…
そうだ、私を助けたのは誰だ?
洞窟から出ると、神秘的な光に包まれた謎の仙霊と目があった。
……他に魔物の気配はないし、私を助けたのはこの仙霊だろうか………
「ぁ……あの………アリガトウゴザイマス………」
あー無反応。言葉通じないのか?
「……ついてきて」
言葉通じるんかい。
まぁ、とりあえず仙霊について行くことにした。
三時間くらい歩いただろうか。
何故か疲れはしなかった。
森を抜けると、自然に囲まれた村が目に入った。いつの間にか日も昇っている。
そして、あの仙霊がいなくなっていた。
「あれ…子供?どうしてこんな所に……」
一人の精霊がこっちに向かって走ってきた。
たぶんおそらくこの村の村人だろう。
「おーいそこの君ー!そこは危険だから離れたほうがいいよー!」
「あっハイ」
確かに、そう言われると森の方から禍々しいオーラが漂ってきたような…
まぁこっちに敵意100%の熊がおったしな。いっかい離れるか。
私を呼んでいる精霊の方へ歩いた。
「君…村の子じゃないよね?見たかんじ、エルフの子なのかな?」
「あ…うん……」
とりあえず近くの森に捨てられたこと、森から抜けるとこの村に着いたことを話した。
「……そうなの…大変だったね。そうだ、君の名前は?」
「…私はフォレス。フォレス・セイルズ。」
「フォレスちゃんね。えー、そうだなあ……じゃあ、私の村に来ない?みんな仲いいし、新しい住人も大歓迎だよ!」
「え……?あぁ………うん。いいなら…」
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みかん油 - 好きすぎてで一気に読んでしまいました...。応援しています! (1月9日 15時) (レス) id: df1996c224 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:豆姉妹 | 作成日時:2024年1月2日 13時