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唐突に始まった大乱闘、芭流覇羅(バルハラ)300人VS東卍(トーマン)150人が一斉に入り混じる。


「(妙に東卍(ウチ)が少ないな…)」


もとより黒が少ないとは感じていたが、それ以上に少なく感じるのは気のせいでもないと思っている。


「(何か待ってんな…)」


思い当たる人物もいない中、探しても意味ないと思い視線を乱闘に戻す。
今回の抗争ではなるべく手を出さないでほしいと、マイキーとドラケン、タカに言われている。
自分達の力で場地を奪還するそうだ。
邪魔にならない場所で廃車に背を預けている。
もちろん、襲い掛かっている芭流覇羅(バルハラ)もいるが、軽くあしらう。
そうすれば、ある程度の空間ができた。


「(見させてもらうぞ、二人とも)」


視線の先には、マイキーと一虎、ドラケンと半間がそれぞれ対峙していた。
かといってずっと見られるわけでもなく、雑魚はわんさか湧いて出てくる。


「(人数が少ない分、雑魚はこっちにも寄ってくるわけだ)」


なんて考えながら、一瞬で5人をあしらった。
しかし、劣勢なのは明らかで幹部達はともかく下の連中がすでに気持ちで負けていた。
人数差と二つ上であること、追い打ちかけるように体格差もあってか、東卍(トーマン)はみるみる立ち上がれる人数が減ってきている。
それに気づいてか、ドラケンは下の連中を守るように立ち、思うように攻めれないでいた。


「(仕方ない…)」


廃車から背を離し、ドラケンの横に立つ。


「A…」


「ドラケン、下の連中(こっち)のことは任せろ」


「だが…」と言葉を濁すドラケン。


「下の連中守って、オマエが倒れたら本末転倒だろ」
「オマエは本命叩け」


「なぁに、ごちゃごちゃ言ってんだぁ?」


芭流覇羅(バルハラ)の数名が襲い掛かる。
ドラケンが構える前に、先頭の顔面に蹴りを入れた。
そのまま飛んで回し蹴りして襲い掛かってきた後ろの数名にぶつけた。


「場地を取り返すんだろ?」
「けど、全部自分達で終わらせようとするのはちげぇ」
「もうちったぁ頼れ」


「A…ここは任せた」


ドラケンはそういって、半間のもとに走り出した。
そんなドラケンを行かせまいと襲い掛かる芭流覇羅(バルハラ)の連中を蹴散らす。


「な、なんだこいつ!?」


「つ、つえぇ」


「来いよ、相手になる」

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作者名:倖那 | 作成日時:2021年9月25日 17時

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