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ほんとに咄嗟だった。
「A君…」
「黙っておく代わりだ、何も言うな」
表情を変えない様に必死だろうが、ほんの少しだけ目が揺れてる。
「何もしてやれなくて悪ぃな、場地」
「オマエにも一虎にも…」
「アイツは俺が全部止める」
「だから、オマエは思うように動け」
場地は強く頷いた。
「生きててくれてよかった」
タケミチはそう場地に向かって告げた。
「何言ってんだテメー」
「オレは稀咲を殺る」
「黙って見とけタケミチ!」
タケミチを見る限り、この一連の流れを上手く理解出来てないようだ。
抗争が始まり、マイキーが膝をつき、稀咲が助け、それを場地が襲い、そんな場地を一虎が狙った。
「(稀咲は場地に狙われた事以外は計算済みであろう…そして、この後起こるであろう事も計算し終えている)」
「そこまで頭のキレる奴が何故そこまで拘る…」
当初にドラケンを狙ったのも、その"席"が欲しかったからだと推測している。
失敗に終わった今、参番隊隊長として席を置き、半間修二を使い、
「(
「…めんどうだな」
場地とタケミチの話は終わったようで、場地は目の前にある山積みの廃車に立つ参番隊50人を睨む。
「さて、参番隊50人
場地は長い髪をいつものように結い、手に鉄パイプを持つ。
「上等、上等」
「いくぞ、オラァァァ!!」
場地が走り出す。
「いくら場地君でも50
心配するタケミチに俺は声をかけた。
「
「え…？」
「実力は1番傍で見てきた奴が知ってる」
「そうだろ?千冬」と声かければ、ふっと笑う千冬が居た。
場地は一瞬で4人を吹っ飛ばし、上に行くと共に連中を吹き飛ばしていく。
「場地さんは稀咲をやるって言ったろ?」
「あの人はできねー約束はしねーんだよ!」
場地が稀咲のもとへとのし上がって行く中でチラリと奴を見れば誰かに電話していた。
「(…やはりか)」
ポケットに入れた左手から流れるものを無視して、奴を睨んだ。
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作者名：倖那 | 作成日時：2021年9月25日 17時
