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20-3 タケミチsaid ページ12

場地君が千冬になにかのカウントダウンをしている間に二人に近づく。


「………ゼロ」


「うおおおおおお!!!」


どうにか場地君が行動を起こす前に飛びつけた。


「タケミっち!?」


「(場地君を守るんだ!!!)」
「千冬!!」
「一緒に場地君止めんぞ!!」


オレの上で大きめの舌打ちが聞こえたが、気にせずに反応がない千冬を呼ぶ。


「ダメだ、タケミっち」


「え!?」


「オレは…場地さんを殴れねー」


涙を流した千冬がそこにいて、一瞬何を言っているかわからなかった。


「は!?」
「何言ってんだよ、千冬…!!」


ゴッ


鈍い音とともに後頭部に衝撃を受け、意識が飛びそうになる。
けど、未来に戻った時にみたマイキー君の悲しい顔と死ぬ前のヒナの顔が浮かび、飛びそうになった意識を無理やり引き留めた。


「(…オレ一人でも止めてやる!!)」


右手で左手首を握りしめ、場地君を意地でも離さないようにした。


「(場地君を止めないと場地君は稀咲に殺られちゃう)」


千冬が止めれない今、オレが止める!!


「オレ一人でも守らないと!!」


ふと自分の思考に違和感を感じた。
それと同時に場地君への拘束が緩まる。


「あれ?場地君を殺すのって」
「稀咲じゃなくて一虎君じゃん」


自分で口に出して、心臓がうるさく跳ねた。
そして、マイキー君の横でノされた一虎君がいた場所を見た。


「(一虎君が…いない…!!?)」


その時だった。
場地君の方から押された衝撃を受けた。
その衝撃があった方をみると、いつの間にか場地君の後ろに一虎君がいた。


「え!?」
「一虎君…!?」


「死ね……場地……」


その言葉をきいて無我夢中で一虎君にタックルし、場地君から離した。
そして、そのまま一つ下の廃車に転がり落ちた。
痛む体を無視して場地君に声をかける。


「場地君!!?」
「大丈夫っスか!?」
「(一虎君に殺されたら、またあの未来に…!!)」


場地君は平然と立ってこちらを見ていた。
そして、いつの間にか隣にA君がいた。


「カスリ傷だ」
「助かったぜ、タケミチ」


「場地君…!」


場地君を…救えた…!?

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作者名:倖那 | 作成日時:2021年9月25日 17時

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