【及川徹】MINT GREEN- After Story -

あなたへ向けた、たぶん ページ9

「よし、次のドレスに変えるよ!!!

及川君はちょっと待ってて」


「及川さんの髪型を整え直してから

Aの髪型入りますね」



2人それぞれ、式が終わったばかりだけれど


ヘアスタイリスト、ドレス担当に


引きづられていく。



昼下がりの式場、


外には2人の友人が多く集まってきていた。


職場の仲間や、バレーボール選手


高校時代の仲間、友達、親友、


モデル友達にモデルを務めていたブランドの


仲が良かったデザイナーやスタッフ。


それぞれ1番、の格好をして


2人の結婚を祝いにやってきた。





その頃、Aは真っ白なドレスを脱ぎ捨てて


ミントグリーンのドレスに着替えていた。


エレガントなデザインと素材。


もともと腰の位置が高いAのスタイルを


強調するようにうまく作られたドレス。



「A、元モデルとかそういうのじゃなくて

あなたは本当に綺麗だから

それをドレスと一緒に見せつけてね」


「うん」



最後に後ろのリボンを結んで、着替え完了。



彼から初めてもらったプレゼントと同じ色。


大切すぎる大好きな色。


大きな鏡の前でクルクルと回り


ドレスの裾をふわりと浮かせて遊んでいると


部屋の扉がノックの後に開いた。



「A髪飾り変えるよ」



開いた本人はヘアメイク道具を手に持ち


ドレッサーの前に構えた。



「え、髪飾りってこのティアラじゃないの??

変えちゃうの??」


「いや、花飾りの方がいいかと思ったんだけど」


「ティアラのままじゃダメかな?

このティアラ気に入っちゃったの」



頭の上のティアラを指先で撫でて


笑顔を浮かべるA。



「気に入ってもらえて良かった。

ティアラのままでいいなら、

髪型だけ整えるけど、それでいい??」


「それでお願い」



おとなしく椅子に座って


メイクや髪型を整えてもらう。


最近じゃ雑誌のヘアメイク担当にまで


登りつめている赤葦京治。


その腕は本物。


じっと、羊の数を50匹くらい


数えるうちに、調整はすぐ終わる。




「はいできた。

予定より早く終わったから

及川さんとこ行ってきたら??

それと、白眼を剥くのはやめとけよ??

せっかくの顔が台無しどころの騒ぎじゃ

なくなるから」



赤葦のお母さんポイントはとても高い。



「そうだね、そうするわ。

京治も披露宴は楽しんで行ってね。

ケーキはクロさん作だから」


「それ毒とか入ってないよね」


「大丈夫じゃない??たぶん」

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