【歌い手】私の全てを受け入れて。ver.A【大型コラボ】 (ページ13)

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【志麻】桜色のラストナンバー/うましか。ページ13

志麻さん→『』
その他→「」

『盲腸の手術なんやって？』

「そーなんよー、もう暇で暇でしょうがないわぁ」

そう目の前で嘆くこいつは幼馴染で腐れ縁のA。

俺はそいつに家から持ってきたゲームを見せつけてやると途端に目を子供のように輝かせた。

「は、神やん。志麻好き！」

『おーおーそういう台詞は彼氏にでも言ってやんな』

「おらんわバーカ！こないだ別れたんの知ってて言っとるやろ！」

わーわー喚いているやつの顔を横目で流しつつゲームのスタート画面まで進め終わると隣から「貸してくれえ」と死にかけの老婆のような声が聞こえてきたため仕方なく貸してやると生き返ったように無邪気にゲームをし始めた。

俺はゲームに一区切りついた頃を見計らって先生から頼まれていた手紙を渡す。

『これ明後日までに提出やって』

「んー？え、進路希望？そっか私達忘れてたけど高3やったね」

『逆に忘れられるすごない？馬鹿っていう意味でな』

調子に乗ることを想定して崖から突き落としてやるように言い放つと案の定頬を膨らませてすぐに紙と向き合った。

「…そういう志麻はどこいくん？」

『俺もまだ決定はしてへんけど専門学校とかに行こうとは思っとるで。その先はまだ決まってへんけど』

「ふーん。…じゃ決めたわ！」

『何を』

「志麻の将来！」

『は？』

いきなり何を言いだすんだと彼女の顔をまじまじと見つめたがどうやら本気のようで自信満々な真剣な表情をしている。

「志麻はな、無駄に声がええから歌手になるんよ！」

『却下』

「なんでや！」

ブーイングが始まる前にと病室を後にしてから俺が歌手になる未来を想像する。

歌ったり踊ったり照明を全身で浴びて輝く自分。

『……楽しそうやん』