７９ ページ30
「…ぜっ…全然！大した話じゃないから！」
本当…。
馬鹿だねあたしは。
「あっ、そ、そうだ！
あたしもう帰らなきゃ！
ごめんねっ！」
「お、おい」
乱暴に荷物を鞄に詰め込む。
「じゃ、じゃあね！」
そして逃げるように教室を飛び出した。
「おい真由！」
太ちゃんの声すら気にせず、
あたしは一心不乱に廊下を駆ける。
…何やってんだろあたし。
こんなことしたら、
浅香さんと太ちゃんが
二人きりで帰ることになるのに。
浅香さんの背中を後押ししてるようなものなのに。
何やってんの…。
「…はぁ…っ」
昇降口の下駄箱に手をつく。
やっと…
太ちゃんのおかげで勇気を貰えたのにな…。
『大事な話だったんじゃないのか？』
もしあのとき首を縦に振っていれば、
何かが変わってた？
あたしの望む未来が待っていた？
…だけど、浅香さんを見た途端、
自信をなくしてしまった。
どうしてあたしはいつもこうなんだろう。
自信が持てた。
けどなかなか一歩が踏み出せない。
やっと踏み出せたと思ったら、
やっぱり自信をなくして誤魔化してしまう。
…こんなことばっかり。
そんなんじゃ
いつまでたっても太ちゃんに近付けないって…、
頭ではわかってるのに…。
「あ…」
校門を出る直前に気付いた。
ペンケース教室に置いてきちゃった…！
鞄の奥まであさっても
やっぱり見当たらない。
ああもう…。
ほんとツイてない…。
また教室に戻らなきゃ…。
でもさすがに二人はもういないかな。
廊下ですれ違わないように
少し遠回りして行こう。
そんな暗いテンションのまま、
あたしは再び校舎の中に入っていった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 637人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かな(プロフ) - 更新ありがとうございます☆ゆっくりでも全然構いませんのでこれからも楽しみにしてるので頑張ってください(*´ω｀*) (2017年3月20日 5時) (
レス) id: d2de61778b (このIDを非表示/違反報告)
yura(プロフ) - かなさん» お返事遅くなり申し訳ございません！！毎日チェックしてくださってるんですね(ﾟ□ﾟ;)！？更新かなり遅くて申し訳ないです…。これからも読んでいただけると嬉しいです！ (2017年3月20日 3時) (レス) id: 759695b409 (このIDを非表示/違反報告)
yura(プロフ) - yatominoさん» わー！お返事遅れてしまってごめんなさい！楽しみにしてくださりありがとうございます！これからも頑張りますo(・`д・´｡) (2017年3月20日 3時) (レス) id: 759695b409 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - 毎日ﾁｪｯｸして更新楽しみにしてるので続き期待してます(∩´∀`∩) (2017年3月5日 4時) (レス) id: d2de61778b (このIDを非表示/違反報告)
yatomino(プロフ) - 始めまして。高校生の話キュンキュンでこれから楽しみです。長編期待しています。 (2017年2月1日 17時) (レス) id: c811de3d2d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：yura | 作成日時：2017年1月7日 14時
