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♡
「Aっ、俺はお前のことが…」
『好きぃ…ああ、私もぉ……』
はっ。
我に返ると、告白された世界は夢の中ということに気付く。
今日の夢は最高だったかな。
だって、イケメン四人に愛される夢だもん。
カッコよくて、優しくて。
夢が現実だったらいいのに。
私は無理なことを考えながら体を起こした。
お父さんはもう仕事に行ったらしくて、今日もひとり。
朝ご飯を適当に作って、身だしなみを整えた。
私は歯ブラシをくわえながらいつもの曲をかけた。
浦島坂田船。
4色の声が混ざり合ってていい。
もう、カッコよすぎですね。
「いってきまーすっ!」
こうして、私の一日が始まった。
♡
『オハヨーっす!』
家からでて数分。
自転車を漕ぎながら、見慣れた後姿をとらえた。
「わあっ!朝から元気だねえ、Aは」
「おはっよおおおおお!」
私の親友のふたり。
クロと、鎖那。
この高校に入ってから知り合った子なんだ。
先行くねー!とふたりを抜かすと、冷たい風がふいた。
『んーっ!イケメンさんはーどっこかな?』
鼻歌を歌いながら自転車を漕いでると、
『あっ』
踏み外した。
自転車と一緒に転げ落ちると、痛みが全体に走った。
うわあ、嫌な日…。
「あれ、前の2年生ちゃん?」
転んだ状態から動かないでいると、イケボに声をかけられた。
イケメン…⁉
そう、勢いよく顔をあげると、
『だ、れ…?』
まったく知らない顔が映った。
『大丈夫ですぅぅぅ!』
そう一礼すると、自転車を拾ってその場を去った。
全然イケメンじゃないじゃんー!
今日は、最悪だ。
♡
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湊(プロフ) - 良いですよ!あ、そらるさんのお話の方、完結乙ですっ! (2018年5月1日 18時) (レス) id: 951f5e568d (このIDを非表示/違反報告)
染羅 - 湊さん» うわぁぁ…そう言われるとぉ……ほかの作品が終わって、ネタが思いついたらでいいですかね…? (2018年5月1日 14時) (レス) id: 211c203b1d (このIDを非表示/違反報告)
湊(プロフ) - 染羅さんんん!頑張ってくださいィィィィィ! (2018年4月30日 21時) (レス) id: 951f5e568d (このIDを非表示/違反報告)
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