一生に一度の恋３ (ページ7)

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本当の「独りぼっち」になり、
真っ暗闇の中を彷徨い続けて約１ヶ月。
ある日ふと、思った。

…もうここは悲しい思い出しか無い。
もう独りぼっちなんだから
どこか誰も知らない場所へ行って
一から全部やり直そう。
全部、全てを真っさらにしよう、と。

そう思い付いた私の行動は早かった。

場所は大阪。

理由は昔お母さんが若い頃に
少しだけ住んでいた事があると言っていた
記憶があった。

お母さんが住んでいた街に私も住んでみたい。
…母は私の憧れだから。

誰にも知られないように着々と準備を進め、
出発は蒸し暑い日が続く２０歳の誕生日の前日。

その日のカズはバイトのシフトが
入っていたはずだから
その時間を狙えば気付かれない。

カズの存在は何よりの支えであったが、
もうここに居ても泣く事しか出来ない。
悲しくて動けなくなってしまう。

…でも、この人生一度きり。

「独りぼっち」だというなら
たった「独り」で生き抜いてやる。

そう胸に誓い、
パンパンになった大きめのスーツケースを持ち、
沢山の思い出で溢れる部屋を眺める。

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…バイバイ。今までの《私》。

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