クロロの姉は驚くほどにかっこいい。 (ページ5)

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三話ページ5

「あっ！やっと来た！」

あともう少しで一次試験が終わる、そんなギリギリの時間でAが来た。

「ん？その声…、レイラ？」

Aが首を傾げている。

いつもなら顔を輝かせて寄ってくるAが、雲ではなくヒソカに姫抱きされている。

しかも、いつもなら暗やみで光りそうなくらい輝いている目が死んだ魚の目みたいになっていた。

「え、雪乃…、あんたまさか…」

「……あー、そのまさかだと思うけど、視力低下と多少の麻酔をかけられちゃってね。まぁ、ヒソカにも手を出したから殺したんだけど。」

「「…え。」」

私とヒスイの声がかぶった。

「ん？何かおかしい事言った？」

「…あー、いや？」

「そのクセまだ抜けないんだなぁと…」

「あー、私もそれ思ってた所。」

平和主義のくせに大事な人が関わると逆上して性格が変わる。

…まぁ、そんな姿も美しい訳だけど…

「…それより、ここは？二次試験会場？」

そう聞かれたから、そうだと答えた。

「ふぅん、ザワザワしてるってことは、まだ始まってないんだね。ついでに言うとまだあの一次試験の試験官の気配もするし。」

おぉ、やっぱりAは頭の回転が早い。

「さすが雪乃、もう目はいらないな。くり抜く？」

「やめなさい。」

「冗談なのに叩かなくても…」

…ま、二割は本気だけどね。

私とは違う、光に包まれたような目。

願う事なら、ずっと私の隣に置いて愛でたい位だ。

「でも目は必要だよ？本当に死んだかどうか確かめるのに。」

「ヒスイ、さすが暗殺者…」

…でも私はもう、自分の欲だけで人を殺すことはしない。

「それにしても、今度はどんな殺し方したの？」

「え、頭蓋骨をグシャって。」

「おぅふ。」

え、エグい…

「…相変わらず怪力だなぁ。本当は強化系だったんじゃないの？」

「変化系だってば。水見式一緒にしたでしょ。」

だけど、強化系だって８０%は使えたはず…

その後、一次試験の試験官から説明があり、扉が開く。

「次の試験なんだろうね～」

ワクワクしながら入ると、途端に鳴り響くお腹の音。

「そんな訳で、二次試験は…、料理よ！」

「「「「「料理！？」」」」」

料理、かぁ…、大丈夫かな…

そう思いながら、私は試験官の話を聞いていた。