Beloved time 〜YN〜３

前夜 ページ16

寒さに凍えていた昨日から一転、日差しはガンガン照りつけて、遠くに蜃気楼が見える。
ここは南半球のとある島。

明日、ついにまりとジフナの結婚式が行われる。


A「ジフナほっといていいの？」

まり「いいのいいの。今夜は独身最後の夜だから、お互い楽しもうって話してあるもん。」

A「で、部屋で飲むの？」


せっかくなんだから外に飲みに行こうって誘ったのに、部屋でいいってまりは言う。
まぁ、本人がいいならいいんだけど。

ちょっと高価なワインをグラスに注いで、乾杯。


まり「色々あったよね、本当に。」

A「うん、そうだね。ジフナ、いきなり大声で熱烈な告白だったもんね。」

まり「そうそう。(笑)最初はなんだよこいつって思った。大きい男が顔を真っ赤にしてさ、直立 不 動で『一目ぼれしました！』だもん。どう見たって怪しいよね。」

A「その怪しい人と結婚までしちゃうんだから、人生どこでどうなるかわからないよね。」

まり「…Aも、その時ユノ君と出逢ったんだよね。芸能人なんて嫌いってオーラ出しまくりで、きっとあの時ユノ君怒ってたと思うよ。(笑)」

A「なんか、昨日のことみたい。色んなことがあり過ぎて、あっという間で。いっそ、本当に出逢ったのが昨日だったらどんなにいいか…」


そうしたら、今までの痛みや傷を負う事も、負わせることもなかったし、笑顔や喜びはもっとたくさんに出来たかもしれない。
悲しませないで、笑顔だけを見て過ごして、些細な事でも幸せだねって近くで囁きあっていれたのかもしれない。

全ては過去のことで、今更どうにもならないのはわかりきってるけど、ついつい無い物強請り。


A「幸せになるんだよまり！絶対に絶対に、幸せにね！もしジフナに泣かされたら私がぶっとばしてやるから！」

まり「ありがとっ！これからもずっとずっと、よろしくね！」


熱い抱擁をして、また改めて乾杯。

まりの第二の人生のスタートに、幸あれ！

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