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次の言葉に困った花道を見て、Aが無言のままゆっくりと目尻を下げた。
勝手に体育館を飛び出したことを怒られると思っていたのか。
安心したような、でもどこか少し泣き出しそうにも見える笑みを浮かべたAに、花道が「Aさん…」と小さく声を漏らした。
Aの微笑みにタジタジの花道を見ても、Aは笑みを浮かべたまま。
『あのね、』
一瞬自分の足元を俯いて、顔を上げて、そしてまた笑った。
『私、小さい頃から運動音痴で、体力も人より全然無くてね』
『小さい頃は、日差しの強い日に外にいただけで熱を出してたくらい身体も弱かった』
そう言って眉を下げたAの声が、いつもよりも哀しげに聞こえた。
少なくともあの日屋上で『私のために争わないで!』というセリフと共に登場した少女とは思えない声色だ。
話し始めたAの言葉に黙って耳を傾ける洋平がチラリと目を向ける。
琥珀の宝石を埋め込んだような瞳は、やはり悲しげに揺れていた。
『…ちょっと走っただけですぐ苦しくなっちゃうような私がスポーツなんて、碌にできたことなかった』
だけど、それが不幸だとは思ってない。
運動ができない代わりに小さい頃から勉強はそれなりにできたし、今も昔も、私は私を支えてくれる人に恵まれてる。
それに自分のこと可哀想だと思うほど、私は弱くない。
『──だけどね』
『君を見て少しだけ、羨ましいって思ったの』
身体能力が高くて、身体が大きくて、踏み込めばその分高く跳べる。
これって言ってしまえば才能で、普通のことじゃないんだよ。すごいことなんだよ。
『私、バスケが好き』
『でも私は身体も小さくて、速くも長くも走れないし、高くも跳べない』
『それでも、絶対、私は可哀想なんかじゃない』
そうやって自分に自信を持って、これまでずっとそうやって誤魔化してきたのだ。
こんな身体じゃ努力すらできない。
もう少し背が高ければ。もう少し力が強ければ。もう少し身体が丈夫なら。
もう少し、私の心臓が上手に動いてくれたなら。
『──花ちゃん』
「は、なっ…!!は、はハナチャン……？!」
ボフンと音を立てて顔を沸騰させた花道に、Aが小さく笑う。
そしてまた真っ直ぐと瞳を花道に向けて言った。
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Uo(プロフ) - あさん» コメントありがとうございます❕お褒めの言葉本当に嬉しいです😖ご期待に応えられるよう頑張ります!! (7月29日 20時) (
レス) id: a616e905ad (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - 絵うますぎませんか？ え、うま ビビるほど上手い 尊敬します！！ お話もとっても面白いです！応援してます！ (6月22日 14時) (レス) @page5 id: c33439ae2b (このIDを非表示/違反報告)
Uo(プロフ) - 生粋のまよらーさん» ありがとうございます❕たくさんのご感想に、私も日々活力を頂いています!!気長にお付き合い頂けると幸いです…!! (5月29日 2時) (レス) id: 05f236e790 (このIDを非表示/違反報告)
生粋のまよらー(プロフ) - メープル3続編おめでとうございます！！これからも主様の投稿を心待ちに日々過ごして参ります！！！続編でもコメントします！ (5月28日 20時) (レス) @page49 id: 3e4069aada (このIDを非表示/違反報告)
Uo(プロフ) - 生粋のまよらーさん» コメント、ありがとうございます❕仙道はのらりくらりという感じで掴みづらいキャラなので上手く表現できるか不安ですが、精一杯頑張ります!!温かいコメント、いつも本当にありがとうございます。とても嬉しいです😖 (5月28日 0時) (レス) id: 05f236e790 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Uo | 作成日時：2023年4月23日 1時
