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『おおっ!これが拗れた男女のシュラバってやつか』
「…」
この、なんとも呑気な彼女の一言。
花道に殴られてるところを見ても、ハルコの熱を持った視線に気づいても動じないAに洋平が肩透かしをくらっていると、Aがくるりと洋平を振り返った。
『ちなみにお名前は?あ、私赤嶺Aっていいます!1年8組です』
「え…俺っすか?俺は水戸洋平」
見た目の大人っぽい雰囲気のせいでてっきり先輩かと思っていたけど、タメだったようだ。
8組なら7組の花道と洋平とは隣のクラス。
あれだけ存在するかどうかと騒いでいたのに、案外近くにいるものだな、と一人でしみじみとする洋平。
『よろしくね、水戸妖精さん?』
「………ん?」
Aの一言に、ブハッと勢いよく吹き出した大楠達の笑い声と、困惑した洋平の声。
「ぶゎはははは!!妖精さんだってよ!!」
「こんなイカつい妖精さんがいてたまるかってんだ!!なぁ洋平!!」
「ピーターパンもびっくりのティンカーベルだな」
「Aちゃんには俺が妖精に見えてるの…??」
困ったような洋平に、Aがキョトンとした後閃いて手を打った。
『ん…?あ、ようへいか!やけに可愛い名前だなって思ったわ』
「Aちゃんこんなイカつい男共が怖くないのか?」
『別に怖くないよ。よへくん達優しそうだし』
「よへ…?」
「(ほんとに随分呑気な子だな…)」
目の前でまさに修羅場?が繰り広げられているというのに、悲鳴をあげる様子もない女の子。
とてもじゃないが喧嘩慣れしてるようには見えないのに。
「俺たちは慣れてるけど、Aちゃんは喧嘩とか怖くない?」
『よへ君たちってもしかして、不良?』
「まあ見ての通り」
片眉を上げて大楠や花道達をチラッと見て言った洋平に『ふぅん』と可愛らしく肩をすくめたA。
頭から血を被ったような流川を見て、口の端を上げて笑った。
『──いいね!私、喧嘩強い人って好き』
その表情と言葉に、どきり、と心臓が強く波打つ。
メープルシロップみたいにふんわりと甘い匂いとは似合わないそんなセリフを、彼女は勝ち気で挑発的な笑顔を浮かべて言った。
「…へぇ?こんな野蛮な男がタイプなんて、Aちゃんは苦労しそうだな」
『そうかな』
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Uo(プロフ) - あさん» コメントありがとうございます❕お褒めの言葉本当に嬉しいです😖ご期待に応えられるよう頑張ります!! (7月29日 20時) (レス) id: a616e905ad (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - 絵うますぎませんか? え、うま ビビるほど上手い 尊敬します!! お話もとっても面白いです!応援してます! (6月22日 14時) (レス) @page5 id: c33439ae2b (このIDを非表示/違反報告)
Uo(プロフ) - 生粋のまよらーさん» ありがとうございます❕たくさんのご感想に、私も日々活力を頂いています!!気長にお付き合い頂けると幸いです…!! (5月29日 2時) (レス) id: 05f236e790 (このIDを非表示/違反報告)
生粋のまよらー(プロフ) - メープル3続編おめでとうございます!!これからも主様の投稿を心待ちに日々過ごして参ります!!!続編でもコメントします! (5月28日 20時) (レス) @page49 id: 3e4069aada (このIDを非表示/違反報告)
Uo(プロフ) - 生粋のまよらーさん» コメント、ありがとうございます❕仙道はのらりくらりという感じで掴みづらいキャラなので上手く表現できるか不安ですが、精一杯頑張ります!!温かいコメント、いつも本当にありがとうございます。とても嬉しいです😖 (5月28日 0時) (レス) id: 05f236e790 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Uo | 作成日時:2023年4月23日 1時