155話 ページ5
ハリーの叫び声に、セドリックが左を見て間一髪衝突を避けた。
しかし足がもつれて、倒れ込んだ──杖が手から離れた。
黒い巨大なものは、蜘蛛だ。蜘蛛は倒れ込んだセドリックにのしかかろうとした。
「
ハリーが咄嗟に唱えた失神呪文など、巨大な蜘蛛には小石を投げつけたくらいの威力しかなかった。
しかしセドリックから意識を逸らすことはできたようだ。
毛むくじゃらの蜘蛛はガサガサと向きを変えて、今度はハリーに向かってきた。
「ステューピファイ!!──インペディメンタ!──ステューピファイ!!」
全部駄目だ──……相手が大きすぎるせいか、効き目がない。
あっという間に宙吊りにされたハリーは蜘蛛を蹴飛ばそうとしてもがいたけど、右足が蜘蛛の足についたハサミに触れた瞬間、激痛が走った。
セドリックが失神呪文を叫んでいるのが聞こえたけど、やっぱり何の意味もない。
宙吊りにはいい思い出がない。トロールみたいなことをするな!と頭の中で文句を飛ばしても、当たり前に無意味だ。そもそも宙吊りにいい思い出がある人なんていない。
蜘蛛が再びハサミを開いた。
まずい………どうする──？
「──
咄嗟に口から出た武装解除呪文が、奇跡的に効いた。蜘蛛はハリーを宙吊りから解放した。
しかし足から落下したハリーは、当然傷だらけの身体で4メートルの高さから華麗な着地などできるはずもない。
身体の下で、満身創痍の脚がぐにゃりと潰れた。
それでも考える暇もなく蜘蛛に杖を向けて叫んだ。
「「
同時にセドリックが叫んだ。
一人では効かなかった呪文は二人分になることで効果を上げて、なんとあの大きな蜘蛛を吹っ飛ばしたのだ。
「ハリー……!!」
セドリックがハリーに駆け寄る。
「大丈夫か──？蜘蛛の下敷きか？」
「いや……」
答えながら恐る恐る脚を見ると、おびただしい出血だった。
ついでに最悪なことに、破れたローブに蜘蛛のハサミのべっとりとした分泌液がこびりついていた。
立とうとしたがもはや右脚は体重を支えることができず、ハリーは生垣に寄りかかって周りを見た。
セドリック、そして──そのすぐ背後に───爛々と輝く優勝杯。
ハリーが喉から声を絞り出した。
「さあ、それを取れよ……」
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黒猫_Kurone - 2人の仲がいいことがわかるイラストでめちゃ好き…。番外編も面白くて、わくわくしながら読んでます！作者さん、素敵な作品とイラストを提供していただきありがとうございます！！ (6月17日 15時) (
レス) @page37 id: 02580b15cb (このIDを非表示/違反報告)
黒猫_Kurone - ダンスパーティーで、フレッドの活躍や、主人公ちゃんがハリーの目の色に合わせて、ドレスを選んだというシーンとかめちゃ好きです！閑話のハリーと主人公ちゃんのイラストで、ハリーかっこよすぎて惚れるし、主人公ちゃん、天使…めちゃかわいい…(チーン (6月17日 13時) (レス) @page37 id: 02580b15cb (このIDを非表示/違反報告)
Uo(プロフ) - ダイアナさん» コメントありがとうございます❕セドリックの最期は本当に切ないですよね😖 (6月5日 0時) (レス) id: d9295642a6 (このIDを非表示/違反報告)
ダイアナ(プロフ) - セドリックｳｳｳｳｳｳｳ (2023年3月3日 6時) (レス) @page30 id: 43545663d6 (このIDを非表示/違反報告)
Uo(プロフ) - みのみのさん» コメントありがとうございます❕私も、この炎のゴブレットがハリー・ポッター作品の分岐点のようなお話だと思っているので、とても嬉しいです!!イラストを公開するのが何気に一番緊張するので、ドンピシャと言っていただけると本当に安心します😖 (2022年9月19日 21時) (レス) id: 6bc61cb134 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とま | 作成日時：2022年9月15日 17時
