161話 ページ11
「わ、私はお側に……」
「恐怖故にな。忠誠心ではない」
腕の痛みに喘ぎながらおずおずと前に出たワームテールに、ヴォルデモートが言った。
ワームテールが怯え上がった。叫びの屋敷で見た時も酷かったのに、さらにやつれているように見えた。
右手がない。さっき大鍋に入ったのはやっぱり、あいつの手だったんだ。
「虫ケラのような裏切り者だが、貴様は俺様が身体を取り戻すのを助けた……褒美を与えよう」
ヴォルデモートが杖を空中でクルクルと回すと、溶けた銀のようなものが捩れて、手の形になってワームテールの手首にはまった。
その銀色の手を少し動かして、再び手が動くことにワームテールは泣き止み、息遣いが荒くなる。
「ご主人様……素晴らしい…ありがとうございます……ありがとうございます……」
跪いたままのワームテールは、ヴォルデモートににじり寄って、ローブの裾にキスした。
しかしヴォルデモートはそんなことは気にも止めない様子で辺りを見回した。
──目があった、ヴォルデモートと。
「ハリー・ポッターが、俺様の蘇りのパーティにわざわざご参加下さった。俺の賓客と言い切ってもよかろう」
沈黙が流れる。
ハリーはただ、解けるはずもない拘束から逃れようと身を捩っていた。
「皆に紹介するまでもあるまい……今や俺様同様有名になったようだからな──生き残った男の子だと………」
「デタラメがお前を伝説に祭り上げた……13年前何があったか本当のことを教えてやろう。なぜ俺様が、力を失う羽目になったのか」
ヴォルデモートが話しながら、ハリーと目を合わせた。
傷跡が焼けるように痛んで、あまりの激痛に悲鳴を上げそうになった。それでもハリーは何度も何度も歯を食いしばって堪えた。
「愛とやらの力だ……お優しい母親が自分を犠牲にして一人息子に究極の守りを授けた。俺様はお前に──触れられなかった」
「古くからある魔法だ、不覚にも見逃した……だがそれはもういい……昔とは違う。今はお前に──触れることができる」
冷たい、青白い長い指の先が傷跡に触れた。
頭が割れるほどの痛みに、ハリーはついに大きな声で叫び声を上げた。
ヴォルデモートが低く笑う。
「僅か数滴のお前の血でこの力だ……!」
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黒猫_Kurone - 2人の仲がいいことがわかるイラストでめちゃ好き…。番外編も面白くて、わくわくしながら読んでます！作者さん、素敵な作品とイラストを提供していただきありがとうございます！！ (6月17日 15時) (
レス) @page37 id: 02580b15cb (このIDを非表示/違反報告)
黒猫_Kurone - ダンスパーティーで、フレッドの活躍や、主人公ちゃんがハリーの目の色に合わせて、ドレスを選んだというシーンとかめちゃ好きです！閑話のハリーと主人公ちゃんのイラストで、ハリーかっこよすぎて惚れるし、主人公ちゃん、天使…めちゃかわいい…(チーン (6月17日 13時) (レス) @page37 id: 02580b15cb (このIDを非表示/違反報告)
Uo(プロフ) - ダイアナさん» コメントありがとうございます❕セドリックの最期は本当に切ないですよね😖 (6月5日 0時) (レス) id: d9295642a6 (このIDを非表示/違反報告)
ダイアナ(プロフ) - セドリックｳｳｳｳｳｳｳ (2023年3月3日 6時) (レス) @page30 id: 43545663d6 (このIDを非表示/違反報告)
Uo(プロフ) - みのみのさん» コメントありがとうございます❕私も、この炎のゴブレットがハリー・ポッター作品の分岐点のようなお話だと思っているので、とても嬉しいです!!イラストを公開するのが何気に一番緊張するので、ドンピシャと言っていただけると本当に安心します😖 (2022年9月19日 21時) (レス) id: 6bc61cb134 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とま | 作成日時：2022年9月15日 17時
