175話 ページ25
縛り付けられたまま暴れた偽ムーディの義眼は床に転がり落ちて、ひとりでにギョロギョロと動いている。
偽ムーディの本当の姿は──……
「──バーティ・クラウチ・ジュニア……」
アズカバンで死んだはずの、バーティ・クラウチ・ジュニアだった。
バーティはまた暴れてハリーの右手に掴みかかろうとして、ダンブルドアとスネイプに杖を突きつけられた。
彼が捲り上げて顕になった腕に刻まれた蛇と髑髏の紋章と、ハリーの右手に刻まれた切り傷。
それを見て、バーティは仕切りに口を舐めながら、ニヤリと笑った。
「この意味が分かるだろ……？あの方が──ヴォルデモート卿が蘇った」
「……アズカバンに告げよ。囚人が逃げていたとな」
ダンブルドアの言葉に、マクゴナガル先生がサッと部屋を出て行った。
「俺は英雄として迎えられる……!!」
「どうかの、闇の世界に英雄などおらん」
ダンブルドアはそう言い捨てると、スネイプをその場に見張りとして残して、未だ意識を失ったままAを抱き抱えて立ち尽くすハリーを優しい声で呼んだ。
「ハリー、まずわしの部屋に来て欲しい。Aはここに残していきなさい」
「え……できません、先生。ここに残して行けません」
「残した方がいいのじゃ、ここにはセブルスがいる──」
ダンブルドアはそう言ってチラリとスネイプの方を向いた。
「セブルス……マダム・ポンフリーに、ここに降りてくるよう頼んでくれんか？Aとアラスターを医務室に運ばねばならん」
スネイプは無言で頷き、ハリーから半ば強引にAを引き取ると部屋を出て行った。
ハリーはAを抱えて出ていくスネイプの背中をほとんど無意識に見ていた。
しかし、Aが腕の中からいなくなった途端グラリと視界が傾いた。
彼女の前では気づかなかった痛みが完全に戻ってきて、体が震えるようだった。
「(──よかった………Aが行ってからで)」
強い痛みの反面、自分の身体の都合の良さにハリーは心底感謝した。
「ハリー、来るのじゃ。そこでシリウスが待っておる」
一種の無感覚状態と非現実間に襲われながら、ハリーは頷いた。
その方が、セドリックが死んだ時のことを何度も鮮明に思い出すより良かった。
ダンブルドアに支えられて、ハリーも部屋を後にした。
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黒猫_Kurone - 2人の仲がいいことがわかるイラストでめちゃ好き…。番外編も面白くて、わくわくしながら読んでます！作者さん、素敵な作品とイラストを提供していただきありがとうございます！！ (6月17日 15時) (
レス) @page37 id: 02580b15cb (このIDを非表示/違反報告)
黒猫_Kurone - ダンスパーティーで、フレッドの活躍や、主人公ちゃんがハリーの目の色に合わせて、ドレスを選んだというシーンとかめちゃ好きです！閑話のハリーと主人公ちゃんのイラストで、ハリーかっこよすぎて惚れるし、主人公ちゃん、天使…めちゃかわいい…(チーン (6月17日 13時) (レス) @page37 id: 02580b15cb (このIDを非表示/違反報告)
Uo(プロフ) - ダイアナさん» コメントありがとうございます❕セドリックの最期は本当に切ないですよね😖 (6月5日 0時) (レス) id: d9295642a6 (このIDを非表示/違反報告)
ダイアナ(プロフ) - セドリックｳｳｳｳｳｳｳ (2023年3月3日 6時) (レス) @page30 id: 43545663d6 (このIDを非表示/違反報告)
Uo(プロフ) - みのみのさん» コメントありがとうございます❕私も、この炎のゴブレットがハリー・ポッター作品の分岐点のようなお話だと思っているので、とても嬉しいです!!イラストを公開するのが何気に一番緊張するので、ドンピシャと言っていただけると本当に安心します😖 (2022年9月19日 21時) (レス) id: 6bc61cb134 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とま | 作成日時：2022年9月15日 17時
