男子校なのにモテ期がきてしまった！ (ページ26)

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男子校なのにモテ期がきてしまった！ページ26

「や、やめろよお前ら」

バチバチと火花が飛ぶ。
佐久間と舜はお互いの胸ぐらを掴み睨み合っていた。
俺は戸惑いながらも止めに入る。
舜の肩を引っ張り、佐久間から遠ざけようと試みるが、舜は佐久間の胸倉を離さないままで、誰か助けてくれぬかと思うものの
2人の雰囲気に周りは威圧され、ただただその光景を見守っているだけだった。

何で誰も止めに入らねぇ！！！

「Aは黙ってて、こいつ気に入らない」

舜は俺が伸ばした手を振り払うようにして佐久間に近づく。
傍から見れば唇を合わせているようにも見える…

その光景を見ただけで何故だか心にモヤモヤと霧がかかり目が離せないでいる。
俺の舜に近付くな、俺の舜に触るな、と

俺は無意識ながらに、舜を抱き寄せ佐久間に指を差していた。

「A？」

「なんやの、この指は」

戸惑う舜とは反対に、佐久間は俺の指を掴み悪戯な顔で俺に問う。

「あ、いや別に」

咄嗟の行動で俺自身も理解しておらず、そう問われると何も答える事ができなかった。
俺は佐久間の手と共に指を下ろし、舜から距離を取ろうとした、が

「…A、俺の事好きだよね？」

「…は！？」

何故だか舜は俺の腰を抱き、眉を寄せながらそう言った。
顔はみるみる熱くなり、多分顔は赤くなっているのであろう。
その反応を見た佐久間は、舜を押し退け俺に近付く。

「気に入らんわ、ごめんやけど諦めんよ俺は」

そのまま俺の唇を指で撫でながら、そう言った。
色っぽい表情に思わずドキドキとしてしまう。

また違う意味で顔が暑くなった。

「ちょ、離せよ…」

周りの視線と舜の殺気に耐えられず、佐久間の胸元を押したのだが

「誰にでもそんな反応するん？」

何故だか佐久間はピクリとも動かず、俺の瞳を見てそう言った。
からかわれているだけだと分かっては居るのに、ドキドキしてしまうのが悔しい。

「ちっげーよ！！お前らが変な事するから」

ドキドキして佐久間の顔を見れず、俯きながらそう言うと、佐久間は俺の顎に手を伸ばし、無理やり上を向かせると

「素直になった方がええで、舜君モテるからな」

「え？」

小声でそう言い、俺の額へそっと唇を押し付けた。