男子校なのにモテ期がきてしまった！ ページ25
叔母さんが作った料理を頬張りながら、舜が座る方向へとソロりと視線を向ける。
同様にご飯を食べている舜が視線に気付いたのか、俺の瞳を見ながらニヤリと笑った。
今朝、驚きのあまり硬直状態の俺へ舜は爽やかな笑顔で
｢一線、超えちゃったね｣
動揺した俺は舜を跳ね除け早急に服を着替える、その途中で、急に手首を掴まれシャツのボタンをかける事無く動きが止まった。
途端に早朝から俺の唇へ噛み付くように唇を重ねだす舜。
上を向かされた俺の首は限界寸前、抵抗しようと思い顔を背けると頬を掴まれる始末。
何故こんな事になったのか、それは多分あの俺の一言が原因だったわけだが、あの時の事は思い出したくもない。
そんなこんなで今に至る。
｢ニヤけてんじゃねぇよ…気持ち悪い｣
染まる頬を隠すように、俺は舜へと悪態をつく。
そんな俺の言葉さえ、ニヤついた顔で受け止めやがる此奴に、無性に負けた気分になり俺は喉に飯を詰まらせながら足早に玄関へと向かった。
｢Aくーん、お弁当忘れてるー！｣
玄関の扉を開ける寸前、叔母さんがお弁当の袋を持って走ってきたので立ち止まり振り返った。
｢ごめん、ありがとう｣
手間をかけさせた謝罪と持ってきてくれたお礼の言葉を言い、袋を受け取ろうとすると叔母さんは
｢あ、待って、舜ー！！｣
俺の弁当を持ったまま何故か舜を呼び、俺に向かってニヤリと笑うと
｢あんた達何かあったでしょ？仲直りしなさい｣
と、一言。
俺は慌てて叔母さんから弁当を奪い取り、学校へと向かった。
教室へ着くと待ってたと言わんばかりに男の大群が俺へと押し寄せる。
男達いわくかわいい系である俺は此奴らの標的にされていた。
正直、嬉しくねぇ
早急にやめて欲しい。
そいつらに薄ら笑いを浮かべながら足を後退させ、教室から出ようと試みる
だが、トンっと背中に何かが当たる感覚。
嫌な予感がした。
｢あ、おった…どーも緒方A先輩｣
このチャラけた感じ、この強気な感じ。
佐久間くんだった。
｢な、何で居るんだよ｣
｢宣戦布告｣
前に見た黒い笑み、何かを企んでいるような笑いを浮かべながらキョロキョロと何かを探す佐久間くんに俺は頭にはてなマークを浮かべる。
すると佐久間くんの背後から殺意を感じた。
舜が目を光らせながら佐久間くんを睨みつけていたのだ。
｢みっけた｣
佐久間くんは舜の気配を感じるとニヤリと笑い、舜の胸ぐらを掴む。
｢宣戦布告や佐賀舜、此奴は俺が奪い取る｣
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作者名：yuno | 作成日時：2018年12月31日 11時
