男子校なのに先輩を好きになってしまった！！ ページ19
｢おい、ちょっと女にモテてるからって調子こいてんじゃねぇぞ｣
｢男の嫉妬は醜いで、妬むな妬むな｣
｢んだと、てめぇ！こらぁ！！｣
今日もまた、男に絡まれた。
生まれ持った容姿のおかげで男には妬まれ、汚い女共に囲まれる毎日
正直周りのオタク共の方が充実した生活を送っているようにも見えた。
殴られた腹部が痛む中、俺は重い足取りで家へと帰る。
目の前の扉を開けるのに数秒待った。
そして
ガチャっと扉を開けた。
｢あんたのせいでっ！！涼が非行に走ったりすんのよ！！｣
｢お前の育て方が間違ってたんじゃないのか？｣
怒声が飛び交う中、静かに自室へと向かう。
俺の母と父は、数年前から仲が悪かった。
どこにも居場所が無く、家に居るのも辛い。
だから、アルバイトを始めた。
お金に困っては無かったが、働く事で気分を晴らした。
少なからずバイト先の人間は俺を見た目で判断しなかった、居場所が出来た気がした。
｢涼、明日助っ人入るから、意地悪せずに教えてやれよ｣
｢先輩は俺をなんやと思ってんですか｣
｢あのな、いい加減店長と呼べ｣
この店で雇ってくれた店長は、こんな俺を元気づけてくれて、アルバイトにも雇ってくれて
そして、あの家から連れ出してくれた。
恩人で人生の先輩、この人のようになりたくて勝手に先輩と呼んでいた。
｢助っ人…ね｣
また、居場所が無くなったりしないのだろうか
また、妬まれるかもしれない。
だが、店長の横で愛想笑いを振りまいている其奴は俺の顔を見る所か所々怠そうにしていた。
興味が沸いた、此奴となら友達になれるかもしれない。
｢仲良くしよな、えーっと鈴木君？｣
｢緒方です｣
｢ああ！緒方君、名前覚えるの苦手やし堪忍やで｣
握った手は振り払われることは無くなく、去るふりをして様子を伺う。
真剣に仕事をしていた、握られた手を気にすることも無く真剣に。
レジ付近でずっと様子を見ながら仕事をしていると
あれ、なんや近づいてきてへんか？
まさか、嫌味言いに来たとか…？殴られるとか…？
被害妄想なのは分かってる、そんな事初対面の相手にするはずない、だが人間を信じる事など出来なかった。
｢あの、レジ付近の事教えてくれませんか｣
けど、掛けられた言葉は予想外で
純粋な瞳で、汚れてなくて綺麗な其奴が欲しくなった。
襲うように悪戯をして、その綺麗な肌に俺の跡を残したくなった。
こんな気持ちは、初めてだ。
俺は此奴に惚れているのだろうか。
男子校なのにモテ期がきてしまった！→←男子校なのにモテ期がきてしまった！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 154人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：yuno | 作成日時：2018年12月31日 11時
