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男子校なのにモテ期がきてしまった! ページ15

「あ、おかえりAく、Aくん!?」

周りの声なんて聞こえやしなかった、兎に角1人になりたくて堪らなかった。

好きだっつっただろ、何で女と居るんだよ彼奴、俺の事はもうどうでもいいのか?
気持ちに、冷めてしまったのか?

色んな思いが頭を過ぎってく。
部屋に着くなり、俺はベッドへとダイブする。

そして頭まで布団を被り、声を殺して泣いた。
誰も気付きやしないだろうが、声を出して泣くと男のプライドが廃る。

この間にも、彼奴とあの女は今頃…


やめだ、こんな事を考えるから苦しくなる。
結局彼奴も元の道へと戻って行っただけだ、そもそも男より女の方が良いだなんて分かり切ったことじゃないか。

「も、知らねぇよあんな奴…」

口ではそう言いながらも、頭の中は舜の事でいっぱいだった。

俺は、目に溜まった涙を服の袖で拭う、その刹那

「A、そこ俺のベッド」

舜の声だった、体が硬直する。
それを寝ているのかと思ったのか、舜の足音が徐々に近付いてくる。

俺はバレまいとぎゅっと目を瞑った。

「Aー?寝てんのか…」

近頃聞いてなかった舜の声、耳に響く度何故だか体が疼く。

舜は俺のベッドの傍に来ると、ベッドの端に腰を掛けた。
思わず肩がビクンと跳ねてしまう。

それに気付いたのか、舜の気配が徐々に近付いてくる。
ギシっと鳴るベッドの音に、ドキンドキンと鼓動が早くなった。

「A?起きてるの?」

耳元で舜の声が聞こえる、布団越しだが相当近いようだ。
今起きても気まづい…よな

俺は寝たフリを貫く事にした。

早く部屋から出て行ってくれ、そう願いながらギュッと目を瞑る。
が、舜の距離は何故だか近くなってる気がした。

嫌な、予感がする。

「A…」

「ひ、っ…」

舜の手が布団を割けて俺の耳に触れた。
思わず声が盛れてしまい、慌てて口を手で塞ぐ。

馬鹿!馬鹿俺!!そんな事したら起きてるってバレちまうだろうが!!

そう思ったのもつかの間、急に空気に触れ出す俺の肌。
布団を剥がされてしまった。

「やっぱり、起きてた」

「…うるせ、もう出る退け」

顔を見られまいと舜からは顔を背けながら舜の肩を押す。
だが、一筋縄ではいかなかった。

舜は逆に俺の肩を掴みベッドに固定する。

だめだ、見られちまう。

咄嗟に顔をそむけた。


「…A、泣いた?」


どうして余計な事をこの男は気付くのだろうか。

「泣いて、ねぇよ」

「嘘だ、目があか」

「泣いてねぇっつってんだろ!!」


心が乱されていく。

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作者名:yuno | 作成日時:2018年12月31日 11時

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