男子校なのにモテ期がきてしまった！ (ページ14)

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男子校なのにモテ期がきてしまった！ページ14

何故だ、何故なんだ…共学の時はモテなんてしなかった、話しかけてくる子は居ようとも友達止まり。
なのに何故なんだ、男子校に入学してからというもの少なからず好意を寄せている男が2人…

何故なんだ！？

｢男ウケすんのか俺の顔ー…｣

ソファーに横たわりながら天井を見上げ、そう呟く。
俺としては女の子にモテたい人生だった。
あ、何か…虚しくなってきた…。

｢おーい、A｣

｢あ？｣

そんな俺の元へ、悩みの元凶舜が俺の顔を覗き込む。
今だ俺らの仲は気まずいままで、昨日は1度も舜と顔を合わせることなく帰ってきたわけだが

まさか、舜の方から話しかけてくるなんて…

｢お、おい、舜｣

｢ちょっと出掛けてくるから、母さん帰ってきたら居ないって言っておいて｣

｢え？お、おう｣

もしかすると話し合いに来たとか！？
そんな予想はいとも簡単に外れ、舜はそう言い放ってから玄関へと歩き出した。

1人残された俺は、そっと額へと手を当てる。
昨日、十神は俺の額へ自らの唇を押し当てたわけだが

いや、秘密って…

｢秘密にできてねぇじゃん…｣

舜が去った事での寂しさを紛らわすために、十神の事を考える。
最高にクズだなと、自分自身そう思う。

はぁ、と溜息がもれたその刹那
玄関がガチャりと開く音がした。

目の前にはニコニコ笑顔のお母様。

｢あ、Aくん！舜は？｣

｢ちょっと出掛けてくるってよ｣

｢ええ！！お知らせあったのにー…｣

凄い勢いで話しかけて来たかと思いきや、舜が居ないと分かれば途端に肩を落とす。

一体何なんだ？

疑問に思いながらも他人の家庭に首を突っ込むわけにもいかず、俺はだんまりを決め込んだわけだが

隣を見ると早く報告したくて仕方ないとでも言うかのように、ソワソワとしだした舜の母親。
どことなく舜に似ているから可愛く感じてしまう。

｢あー、探して来ようか｣

｢あ、あら、悪いわねぇ…多分コンビニ！！｣

分かってんなら自分で行けよ、そう思いはしたものの言ったら最後、締められる気しかしないので辞めた。

最寄りのコンビニへ向かい約5分程、最近歩いていなかったため、足が少し痛い。

キョロキョロと辺りを見渡すと、舜らしき人影がコンビニから出てくる所を目で捉えた俺は、入口近くまで走り寄った、けど

｢流石舜、超好き｣

｢はいはい、俺も好きだよ｣

俺の目に映った光景は、舜と女の人が腕を組んで出てくる所だった。
咄嗟に物陰にかくれ、舜達が過ぎ去るのを待った。

心臓が、痛い。