男子校なのにモテ期がきてしまった！ (ページ13)

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男子校なのにモテ期がきてしまった！ページ13

俺が、舜を好き？

｢男同士だそ、そんなの有り得るわけ｣

｢有り得るっつったら？好きになるのに性別なんて関係ないだろ｣

｢有り得ねんだって！！どうしたんだよ今日のお前、可笑しいぞ｣

肩に伸ばされた手が痛かった、十神は至って真面目だった。
ただ、いつもと違いすぎて、少し怖い。

俺は十神の手を払い、ベッドから降りるように体を動かした。

｢Aが認めたくないならそのままで良いと思うけどさ！！もっと危機感持った方が良いんじゃないの｣

途端声を荒らげる十神に、俺は疑問を抱く。

此奴は何に対してこんなに怒ってるんだ？
危機感を持て、人を好きになるのに性別なんて関係ない。

十神の言葉を思い出す。

俺の頭で考えられる推測は1つだった。

｢そうか、なるほどな…｣

｢え？｣

此奴は舜の事が好きなんだ！！
だから舜が俺に触れるのは気にくわない、そして舜の事が好きだから性別なんて関係ないと言った！

完璧だ！

でも、待てよ？

これは逆パターンも有り得る
十神は俺の事が好きで舜に触れさせたくない、俺の事が好きだから男同士でも有り得ると言った。

え！？此奴俺の事好きなの！？

どっちなんだ一体！！

｢え？A？｣

唐突に頭を抱え悩み出した俺に十神は戸惑いの声を上げた。
手をあたふたとさせて心配そうに俺の顔を覗き込む姿を見るとまるで仔犬のようで、俺は単刀直入に聞くことに決めた。

｢十神は、好きな奴…いんの？｣

友達の好きな人を聞くなんて少々恥ずかしいが、これが気にせずに居られるわけもなかった。

そろりと十神の顔を見てみるものの口を開く気配は全くなく、瞳は俺を見据えたまま口角は一向に上がる気配もない。

何だ、この空気は

｢何か言えや｣

我慢ならなく口を開くと、十神は俺の頬に手で触れた。

何だ、何だこれ、どうしたんだよ此奴！？
え？何でそんなに真剣な表情してるんだ？
十神ってこんなにカッコよかったか…？

思わず目が泳いでしまうだろ！！

戸惑ってるのは丸分かりだろう、俺はこいつの好きな人を知りたかっただけだというのに
どうしてこんな事になるんだ？

俺が1人頭を悩ませていると、十神はやっと重たい口を開いた。

｢知りたい？｣

悪戯に笑みを浮かべながら身を乗り出した十神。
顔が近い、いや、近すぎる。

でも知りたい！！

｢お、おう｣

｢秘密｣

だが、最初から教える気は無かったようで

俺がムキになって十神を睨み付けると、額に生暖かな感触と共に十神の匂いを感じた。