男子校なのにモテ期がきてしまった！ ページ5
空き地の前で立ち尽くす俺。
跡形もなく家は無くなっていた、勿論元の道に戻りここが本当に俺の家があった場所なのか何度も確認した。
けど、間違いない
｢…俺ん家は？｣
つかよく一日で家が潰せたもんだな！！
あんなでかい家…1日で
母さんならやりかねない！！
頭を抱え座り込む。
これからどうすれば…、この先の未来に不安を感じていると、鞄の中のスマホが唐突に鳴った。
咄嗟に画面を見ると、母からだった。
ばっと即座に電話に出る
｢あ、Aちゃ｣
｢おい、どういう事だこれは！！｣
｢もう学校終わったのね、ごめんなさいねAちゃん、思った以上に借金があって土地と家、売っちゃった☆｣
もう言葉もでまい。
車や物ならまだしも、家を売るなんて…
何を考えているんだ此奴は。
｢つーか何で1日で家が無くなるんだ、壊すっつっても何日かかかるんじゃ｣
｢それが結構な大人数で作業してたらしくてね、1日で終わったそうなのよ｣
｢…これから俺にどう過ごせって言うんだ？家もなけりゃ金もない状態で俺はどうすりゃ｣
｢そこは心配いらないわ！舜くんのお母さんに頼んだの！
Aちゃんを当分の間泊めてあげてって！！｣
｢はあ！？｣
母は絶対に面白がっている、こんな危機的状況に息子を置いて、とんだドSだ。
泣いてる俺の顔でも見たいのだろうか
母の言葉や行動の全てに呆れてしまった。
｢って事らしいね、A｣
はぁと出たため息、それと同時に背後からフワリと彼奴の香りがした。
｢舜…聞いてたのか、趣味悪いな｣
あまりの近さに距離を取るものの、またすぐに詰められてしまう。
此奴は俺が重大な危機に陥っているというのにニヤニヤと笑っていた。
｢お前の家に世話になるなんてごめんだ、野宿でも何でもしてやる｣
あまりにもふざけている此奴の態度に、俺は冷たくそう言い放ったのだが
｢はは、もしかして聞いてないの？おばさん、借金は返し終わってるよ、今ハワイに居る｣
｢…はあ！？｣
ふざけんなよ！！！何で嘘を付く必要があ…
まさか、まさか、親父とイチャつくためか！！そうなのか！？
なんて親だ！！息子を置いていくなんて！！
あまりにもイラついて眉頭に力が入る、そんな俺を見て
｢Aの怒った顔は本当に可愛いね｣
舜は俺の腰に腕を回し、そう言った
｢何だこの手は｣
力強く回された腕、俺からしたらトラウマだ、是非とも話して欲しい。
キッと舜を睨み付けたが、効果は無かった。
｢…よろしくね、これから｣
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作者名：yuno | 作成日時：2018年12月31日 11時
